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一粒のタネから広がる未来 ~TAKII Staff VOICE~

13.10.09

~第45回 愛され続ける理由がここにある!! 10月10日はトマトの日 トマトはやっぱり『桃太郎』~

みなさんは『桃太郎』トマトをご存知でしょうか?『桃太郎』は弊社を代表する品種です。

みなさんが日ごろ目にされ、口にされているトマトの多くが『桃太郎』だとしたら、どんな品種なのか知りたくありませんか??

今回は30年近く愛され続ける、トマト『桃太郎』の開発秘話をご紹介いたします。

開発者の思い

スーパーで袋の上からトマトを押して品質を確かめている主婦の姿、それが甘熟トマト『桃太郎』開発の出発点です。消費者が心配なく、どれを買ってもおいしいと信頼してもらえるトマトを作りたい、開発者のそんな思いから開発は始まりました。

甘熟トマト『桃太郎』の「甘熟」とは、完全に熟し、しかも甘いという意味で、『桃太郎』と発売する時に作られた造語です。当時は『桃太郎』の名前と並んで「甘熟トマト」という表記で店頭に並べられているところもあるほど、「甘熟」イコール『桃太郎』が消費者の間で浸透していきました。甘熟トマト『桃太郎』はそれまでの常識を打ち破り、新しい常識を作りました。

開発の背景

「桃太郎」開発のきっかけは、1960年代後半にさかのぼります。消費者の間で「トマトがまずくなった」と噂され、新聞や雑誌でも取り上げられ始めていました。ちょうど日本は高度経済成長期の真っただ中、東京オリンピックの後、急成長を遂げた日本経済はGNP(国民総生産)が世界第2位となり、名実ともに先進国の仲間入りを果たしました。それと同時に日本の景観は急速に変化し、都市に隣接していた農村は次第に宅地へと姿を変え、産地は遠のいていきました。

当時のトマトは、まだ果実が青い段階で収穫されていました。トマトは樹上で完全に熟したものを出荷してしまうと、輸送途中や店頭に並んでいる間にどうしても傷んでしまうからです。そのため、まだ先の方が少し色づいてきた状態で出荷し、輸送の途中や店頭に並んでいる間に赤く色づく方法をとっていました。これでは色が赤いだけで、味も香りもないトマトができてしまうのは当然です。トマトの評判は、日本の経済成長と反比例するように落ちていきました。

甘熟トマト『桃太郎』の「甘熟」とは、完全に熟し、しかも甘いという意味で、『桃太郎』と発売する時に作られた造語です。当時は『桃太郎』の名前と並んで「甘熟トマト」という表記で店頭に並べられているところもあるほど、「甘熟」イコール『桃太郎』が消費者の間で浸透していきました。甘熟トマト『桃太郎』はそれまでの常識を打ち破り、新しい常識を作りました。

地道な品種開発

 もともと樹上で熟したトマトが甘いのは当然なのですが、樹上で完熟させると、輸送途中や店頭に並んでいる間に傷んでしまいます。完熟してから出荷しても傷まないトマトを作るには、実をうんと硬くしてやればいい。発想は意外と簡単なものでした。それまでに、他社でも完熟系の硬いトマトは発売されていましたが、あまり売れませんでした。すべて赤色のトマトだったからです。

赤色のトマトは加工用だというイメージがあるため、消費者に避けられてしまうのです。そこで、トマト育成チームは、もぎたての甘さ、輸送に耐え得る硬さ、そして色がピンクであることを目標に、新しいトマト開発の道を歩きだしました。

  『桃太郎』の開発は、できるだけ硬い実をつけるトマトを求めて、まずは50種類ほどの品種を選び出し、考えられる限りの組み合わせを掛け合わせるところからスタートしました。品種開発とは、それぞれ特長を持った種子を掛け合わせて、求めるトマトへ近づけていくという地道な作業です。その種類を何千、何万とある品種の中から選び出し、すべてを記録して、交配を重ね、実際に栽培をします。そして、実がついて初めて、交配の結果が判断できるのです。1年に2回の栽培をしたとしても、結果が分かるのは半年後。もし交配がうまくいかなかったら、再び初めからのやり直しということになり、途方もない時間がかかります。

 トマト育成チームはさまざまな交配を試しました。収穫期には、1日に100種類ほどのトマトを食べることもありましたが、求めているようなトマトはなかなかできません。開発を始めて6年目の1976年に、アメリカから来た「Florida MH-1」という品種に出会い、やっと思い通りの硬さを出すことができました。

挫折を乗り越え、『桃太郎』ついに完成

 硬さを出すことに成功した開発チームには、さらに高い壁が待ち受けていました。それは「樹上で完熟した果実を収穫しただけで、消費者がおいしいトマトとして認めてくれるか」という疑問です。完熟で収穫できるということだけでなく、品種自体が甘さと肉質のよさを持つものでなければならないということに気づいたのです。再び、何百という国内外のトマトとの交配が始まりました。そして、1979年にやっと本格的な『桃太郎』の青写真が見えてきました。

しかし、ひとつ気がかりなことがありました。それは、玉尻のとがりが特長の「ファースト」系トマトの台頭です。食味がよく、大玉で水分が多い、果肉のよく詰まったこの品種は、以前から消費者に人気がありました。社内にも「なぜ『ファースト』トマトを育成しないのか」という声がありましたが、トマト育成チームはあくまでも丸い形のトマトにこだわりました。「ファースト」には形が揃わない、機械選果できない、硬さに限界があるなどの欠点があったからです。この時の退路を絶つような決断が、後の『桃太郎』を作り上げる原動力となったのです。

1981年から、母親用に育成した系統と父親用に育成した系統を交配し、※F1種を育て、選別していく作業が始まりました。果実の硬さ、形の崩れないぎりぎりの肉厚、糖度6度以上、均一に熟していくこと、酸度とアミノ酸の含量などが『桃太郎』完成へのハードルです。いくつもの組み合わせを試し、いくら栽培しやすく収穫量が上がっても、品質のハードルをクリアしないものはすべて捨てました。1983年、完熟トマトを作るという最初のアイデアから長い年月をかけ、ついに新しいトマトが完成しました。母親は1976年に巡りあった「FloridaMH-1」を先祖とし、父親は国内だけでなく世界各国から集めた厚肉の素材を祖先に持っています。収穫量は従来の品種の80%に落ちましたが、開発者たちは品質に絶対の自信を持っていました。(※F1:品種や系統の違ったAとBを両親とする雑種の一代を一代雑種という。また、交配種(こうはいしゅ)とか、F1(エフワン)ともいわれる。)

なぜなら、育成途中の品種を大阪の市場関係者に極秘で食べさせていたからです。本来なら、開発中の品種は企業秘密なので関係者以外に見せることはありません。大きな賭けでしたが、開発しながらも、「全く異質なこの硬いトマトが本当に売れるのか」という不安を拭えなかった開発者たちにとっては、そうやって品質に対する自信の裏付けを得たのです。 最後の関門は会社幹部による品種審議会です。収穫量の低さと、これまでにない硬さへの批判も出ました。それに、タキイ種苗にはすでにこのトマトと栽培時期が同じ3つの人気品種があり、もし失敗すれば会社にとって大きな損失になるため、慎重な意見が大半でした。しかし、最終的には社長である瀧井傳一の「それほど自信があるトマトなら売れ」というひと声で発売が決まりました。開発者たちは涙の出る思いがしました。 そして、1985年ついにトマト『桃太郎』が発表されました。



トマト『桃太郎』の魅力

『桃太郎』の魅力は、今までのトマトとは比べものにならないほどの甘さと、キャッチボールをしても崩れないといわれるほどの硬さにしたことで確保できた日もちのよさにあり、 1985年に発売されてから、広く人々に受け入れられています。


『桃太郎』の名前の由来

1、桃のように甘いピンクトマト。
2、甘熟(完熟)のピンクトマト(桃色)。
『桃太郎』トマトは実が硬く、樹上で熟させることができましたので、甘く味が良いトマトとして販売することができました。そこで、よく熟した意味の「完熟」ではなく、甘く熟した意味をこめた「甘熟」という造語を当てました。
3、 童話の桃太郎が持つイメージ。
明るく元気で、強い、正義の味方というイメージを、『桃太郎』トマトの甘く、味が良い点に結びつけ、子供にも食べてもらえることを願った。
4、甘く味の良い点をフルーツ感覚で捉えたい。


弊社では現在に至るまで、『桃太郎』シリ-ズとしてたくさんの品種を発表してきました。ひとつの品種を作り上げるのに10年はかかるといわれる品種開発。消費者や生産者の「こんなトマトが欲しい」という声を聞いてから取りかかっていては遅いのです。弊社の開発者たちは、時代背景や世中の変化、食の環境を見極め、時代の先を読んだ育種を行っています。
トマトに限らず人々を満足させられるような新しい野菜や花の提供を目指して、さらなる研究と努力を重ねていきます。

現在発売されている『桃太郎』シリ-ズは25品種です。
いくつかご紹介させていただきます。
(品種の詳細についてはhttp://www.takii.co.jpをご覧下さい。)

『元祖『桃太郎』
甘くて美味しい元祖「甘熟」トマト
『ホ-ム桃太郎EX』家庭菜園にぴったり!!
『桃太郎グランデ』
暑い時期にたくさん収穫で
『桃太郎ゴ-ルド』
作りやすい!橙黄色の桃太郎
『CF桃太郎ファイト』
葉かび病に強い!糖度が高くて食味が良好
『桃太郎セレクト』
食味の良い夏秋栽培用の桃太郎
『桃太郎コルト』
葉かび病に強い冬春用の桃
『CF桃太郎ヨーク』
葉か病に安定した耐病性を

みなさんのお役に立つ情報をたくさんご提供して行ければと考えております。
どうぞ、宜しくお願い致します。

タキイ種苗㈱広報担当

タキイ種苗(株)広報担当

【写真左】松本 麗(マツモト レイ)
出身地:滋賀県
好きな野菜:こどもピーマン
好きな花:ユ-ストマ
マイブ-ム:コ-ラ

【写真右】荒木 匡子(アラキ キョウコ)
出身地:奈良県
好きな野菜:トマト
好きな花:ガーベラ
マイブ-ム:中国茶

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about
タキイ種苗㈱ 1835年(天保6年)の創業以来、野菜や草花のタネ・苗から便利で役立つ農園芸グッズまで幅広く取り扱っています。弊社の代表的な品種に、野菜ではトマト『桃太郎』、草花ではヒマワリ『サンリッチ』シリ-ズなどがあります。これからも、国内外の農業生産者・消費者のニーズに合った新しい品種の育種・開発に努め、世界の「食」と「農業」を支えていきます。
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~第62回2.野菜を育てよう おてがる菜園~
~第61回1.野菜を育てよう おてがる菜園~
~第60回2.野菜を育てよう 袋栽培《秋》ハクサイ~
~第59回1.野菜を育てよう 袋栽培《秋》ダイコン~
~第58回 ひまわりの栽培 『サンリッチひまわり』の栽培にチャレンジ!~