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だから、言わんこっちゃない ~EEIE Editor's VOICE~

10.10.06

山陰の海で、自然についてかんがえる。

ようやく暑さも一段落したような気がする今日この頃。ようやく初秋ですね。今回、初めてこのVOICEの原稿を担当する、遅れてやってきたEEIEエディターズ0号です。よろしくお願いします。

突然ですが、私、つい先日、取材で兵庫県の豊岡市へ行ってきました。現在の豊岡市は、2005年に豊岡市、城崎町、竹野町、日高町、出石町、但東町の1市5町が合併したこともあって、全国的に有名な城崎温泉をはじめ、皿そばで知られる但馬の小京都・出石、スキーや夏のリゾートで知られる鉢伏や神鍋高原など、関西エリアでも屈指の観光エリアになっています。そんな豊岡の最も旬なニュースが、10月4日に「山陰海岸ジオパーク」が世界ジオパークに認定されたこと。で、今回の豊岡行きも、その「山陰海岸ジオパーク」の取材が目的です。

とはいえ、「世界ジオパーク」って何? という読者も多いはずなので、まずはその説明から。

「世界ジオパーク」というのは、「地球科学的に重要な自然遺産を含む、自然に親しむための公園」のことで、保護保全しながら活用を目指し、ユネスコが支援する「世界ジオパークネットワーク」が世界21カ国66ヶ所(2010年9月現在)を認定しているそうです。ちなみに、日本では、2009年に洞爺湖有珠山(北海道)、糸魚川(新潟)、島原半島(長崎)の3ヶ所が認定されていて、今回の山陰海岸(京都・兵庫・鳥取)で4カ所目となります。でも、世界遺産とはどう違うの? という疑問が。世界遺産は「遺跡や建造物、自然など全ての人々が共有し、未来の世代に引き継いでいくべき人類共通の宝物」というのが定義。一方、ジオパークは「科学的に貴重な遺産を保護保全しつつも、教育、観光、産業などに活用し、地域の活性化を目的とする」ことが求められていて、一度認定されても、4年に1度見直しがあり、活用されていないと認定取り消しになるそうです。要は、保全と活用の両面が必要ってこと。だから「遺産」ではなく、「公園」なんだとか。うーん、結局、わかったような、わからないような...。

そんな下手な説明はさておき、そんな「山陰海岸ジオパーク」は、山陰海岸国立公園を中心に、京都府京丹後市の経ヶ岬から鳥取県鳥取市の白兎海岸までが対象のエリアとなっていて、鳥取砂丘や琴引浜(鳴き砂で有名)などの砂丘や砂州、経ヶ岬などの海岸段丘、玄武洞の柱状節理など、貴重な地質遺産を数多く有しています。さらには、自然環境の保護保全という点でも、豊岡市が取り組んでいるコウノトリの保護と増殖もその活動のひとつになっているそうです。

コウノトリ
エサをもらいに戻ってきたコウノトリたち@コウノトリの郷公園。ちなみに、くちばしと尾が黒くて、足がオレンジなのがコウノトリです。

ということで、まずはコウノトリについてお勉強すべく、豊岡市の[コウノトリの郷公園]へ。国の特別天然記念物であるコウノトリは、田んぼに農薬が使用されることによりエサとなる生き物が駆除されたがゆえに絶滅の危機に瀕してしまったそうだ。そこで、豊岡市では1965年にコウノトリの人工飼育を開始し、現在では約150羽が飼育されています。同時に、コウノトリの野生復帰を目指して、無農薬(または減農薬)の田畑を営むなど、コウノトリが生息できる自然環境の再生に地域として取り組んでいるそうだ。とはいえ、コウノトリにとってまだまだ自然は厳しいようで、放鳥されているコウノトリ(2010年9月現在で45羽)たちの多くが、エサの時間になるとコウノトリの郷公園に戻ってくるそうだ。ちゃんと戻ってくることがスゴイと思うが、逆に考えると、野生ではまだまだエサの確保に苦しんでいるということなんだとか。うーん、もっとエコにならないといけないんですね。自分にできることから始めてみます。

  • 玄武洞
    自然が生み出したアートと呼びたい玄武洞。六角形の柱を規則正しく積み重ねたように見える不思議な美しさです。ちなみに隣にある青龍洞も天然記念物です。
  • 玄さん
    豊岡市のマスコットキャラクター「玄武洞の玄さん」。六角形の顔は怒っているんだけど、愛嬌満点。それがゆるキャラとしての「玄さん」の魅力かと。

で、お次は、国の天然記念物にも指定されている玄武洞(げんぶどう)へ。観光ガイド的な紹介をすると、「約160万年前の噴火により噴出したマグマが冷却され形成された景勝地で、規則正しい六角形になった玄武岩による柱状節理を見ることができる」となるが、そんな細かい説明を聞くよりも、ひと目見るだけで、自然のパワーってスゴイと思える光景です。「アート」と呼びたいほどの造形で、それが自然の力によって生み出されたというのが不思議でなりません。外国からも多くの人が見にくるというのも納得です。ちなみに、2009年の11月に玄武洞をモチーフにした豊岡市のマスコットキャラクター「玄さん」が登場し、人気を集めているそうです。ゆるキャラなんだけど、いつも怒っているという、岩らしい頑固さ(?)がいい感じです。

山陰海岸
竹野海岸から見た青々とした日本海。このキレイな海を見たときに、カヌー体験をできなかったことがちょっと悔やまれます。

さらには、旧竹野町でジオツーリングとして、カヌー体験をする予定だったのですが、「波が高くて、転覆してしまうから」と断念。その替わりに、[誕生の塩工房]で海水からの塩づくりを体験してきました。海水を煮詰めることによりできる塩の結晶をすくい上げるのが体験メニューです。塩の結晶をろ過し、天日干しすると完成なのですが、天日干しに時間がかかるため、残念ながら、体験メニューでは結晶のすくい上げまでにしているそうです。薪を割り、火を起こし、海水を煮詰める、という作業は「火が強すぎると、結晶が荒くなるからダメ」など、シンプルながらも奥が深くて、なかなか楽しかったです(塩づくり体験の詳細はこちら)。そして、海水ってやっぱり塩分を含んでいるんだ、と当たり前のことを再確認した次第です。やっぱり、自然って不思議でスゴイなぁ...。

そんなこんなで、「世界ジオパーク」に認定された「山陰海岸ジオパーク」を堪能して、自然の偉大さと大切さを思い知った豊岡での取材でした。

と偉そうなことをいいつつも、日本の鞄の約80%が生産されている鞄の街・豊岡だからカバン欲しいな、とカバンを買ってしまったり、冬にはカニを食べに城崎に行かなきゃ、と思ってしまったり...。ジオパークで心が洗われても、物欲と食欲は消えないようです。まだまだ修行が足りない、EEIEエディターズ0号でした。

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エルマガジン社/EEIE エディターズ 「快適できれいなくらし」の姿を追い求め、日々、取材や編集に明け暮れるエルマガジン社EEIEエディターチーム。三者三様なパーソナリティを全開に、仕事漬けの毎日で、自らの家庭での暮らしは「快適できれい」とは正反対のところが悩みの種…。
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秋の終わりの、山陰の旅。