1. EEIE HOME
  2. VOICE
  3. grafが近畿2府4県を旅して考えるきれいなくらし
  4. 最終回「2年間の連載を振り返りながら、再び滋賀の湖北へ。」
  5. Chapter.1 余呉湖でワカサギ釣りと[池原そば道場]でそば打ち体験。

VOICE

grafが近畿2府4県を旅して考えるきれいなくらし

11.03.31

Chapter.1 余呉湖でワカサギ釣りと[池原そば道場]でそば打ち体験。

滋賀県長浜市余呉町。
昨年1月に長浜市に統合され、長浜市は湖北の大部分を占める滋賀県下で最も広い面積の市となりました。羽柴秀吉と柴田勝家が天下を掛けて戦った「賤ヶ岳の戦い」でも有名な地で、今年はNHKの大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』の影響もあって、多くの観光客が訪れているとか。

さて我々にとって余呉町といえば、この連載の初回の取材で昼食に訪れた[徳山鮓]でとてもおいしい熊鍋や熟鮨(なれずし)をいただいた想い出の地。その時に食べたワカサギの天ぷら。次から次へと揚げていただいて、[冨田酒造]さんの銘酒「七本槍」を飲みながら、お酒のつまみとして、贅沢にもスナック感覚で食べた記憶が...。
今回は、まずはそのワカサギを釣りに余呉湖へ。余呉湖はワカサギ釣りのメッカで冬の風物詩でもあります。ワカサギ釣りは毎年11月後半〜12月初旬から解禁になり、余呉湖の桟橋は多くの人で賑わいます。

朝の8時に余呉湖の桟橋で待ち合わせ。最終回のゲストとして、この連載で訪ねてすっかり仲良くなった湖北の若手農家集団[konefaコネファ(湖北ニューファーマーズ)]の立見さん[お米の家倉]の家倉さん湖西を訪ねた回の最後に高島市の[旅のカフェ]での交流会にも参加してくれたアクセサリー作家・ワダマキさんも参加してくれました。

「前田さん、お久しぶりです。余呉はまだ雪がたくさん残っていてびっくりしました」

前田さん「おはようございます。雪は残ってますが、今日は温かくなるみたいで良かったですね」

「ワカサギ、ものすごく釣れるって聞いてるんですけど(笑)」

前田さん「僕もよく来るわけではないのでどうかなぁ。でも初めてでもそこそこ釣れると思いますよ」

  • 朝8時、余呉湖の湖畔にて。いざこれから、ワカサギ釣りです。右端が[konefa コネファ(湖北ニューファーマーズ)]の立見さん。その左が[お米の家倉]の家倉さん。
  • 余呉湖は『天女の羽衣伝説』の地として知られ、水浴中に羽衣を隠された天女が産んだ子どもの子孫が湖北を開いた祖と伝えられている。

前田さんは、家倉さんのように家業で農業をしているのではなく、個人で活動されています。出身は名古屋で、大学で滋賀に移り住み、農業法人へ就職した後、2005年3月からこの余呉でくらしています。現在は『田んぼ舎』というサイトを立ち上げ、「天地の唄」という名前で低農薬栽培・低化学肥料のお米を栽培し、販売しています。

釣り竿とエサを桟橋の入り口で購入して、いざ、余呉湖の桟橋へ。釣りといえば思い出すのは、この連載の第5回で訪ねた和歌山の加太。雨の中、揺れも激しい漁船で四苦八苦しながらも、予想以上に釣れて、とても盛り上がりました。あの時とは釣り方も竿も全く違いますが、どうやら今回も釣れそうな予感。
たまたま釣りをしていた親切な方に釣り竿の仕掛け方を教えてもらって、いよいよスタート。

「水面の波紋が出ているところに釣り竿を垂らすといいですよ」とアドバイスももらいながら、釣り竿を垂らして待っていると、思ったよりすぐ釣れ始めました。ワカサギ釣りは初めてのメンバーがほとんどでしたが、みんな次々と釣れました。一度に2匹釣れることも。

あまりにバンバンと調子よく釣れるので、目を懲らして水面を見てみると、ワカサギがうじゃうじゃいます!

  • 羽柴秀吉と柴田勝家が戦った「賤ヶ岳の戦い」の合戦の地は余呉湖の北にそびえる賤ヶ岳。
  • みんな真剣に竿先を見つめています。左から3人目の長身の方が、今回のナビゲーターの前田壮一郎さんです。

恐るべし余呉湖! しかし同じ場所でしばらく釣っていると、だんだん釣れなくなりました。どうやら群れがあちこちに移動している模様。たくさんいる場所を探しながら釣っていると、あっという間に2時間が経ってしまい、そろそろ終わろうかという時に調子よく釣れ続けたので、なかなか終われませんでした。

みんなが釣ったワカサギを入れたバケツの中には100匹以上はいたでしょうか。でも聞いてみると、丸1日釣っていると1人で500匹以上釣ることも珍しくないとか。

「すごい、こんなに釣れるもんなんですね!」

前田さん「釣れましたね〜。土日は肩が触れ合うほど人がいっぱいだそうです」

立見さん「そうそう、桟橋が落ちるんちゃうかと思うほど(笑)」

「ええー! 確かに今日も、平日だというのに割と人が多かったですよね。女性や親子らしき人もいたし」

釣ったワカサギは次に訪ねる[そばの里 池原そば道場]で天ぷらにしてもらって頂くことになりました。

  • 川西さんも初めてのワカサギ釣りで、早速、ワカサギをゲット! 一度に3匹も釣り上げました。
  • 家倉さんもワカサギを釣り上げて大喜び。みんな次々とワカサギを釣り上げていきます。

2時間で100匹近くのワカサギが釣れました。これも特別なことじゃなく、いつもこんな豊漁なんだそうです。

余呉湖のワカサギ釣り

滋賀県長浜市余呉町大字川並2380-1 ビジターセンター
江土桟橋/川並桟橋
TEL/0749-86-3033(余呉湖漁業協同組合)
遊漁時間/6:00〜17:00
解禁中期間無休
遊漁料1,300円、釣り具1,700円、エサ200円
http://www.zc.ztv.ne.jp/yogoko-g/

釣ったワカサギを入れたバケツに雪を入れて凍らせて、続いて向かったのは、池原という地区にある[そばの里 池原そば道場]。古民家を改装した建物の中で、そば打ち体験ができます。池原地区に住んでいる男性9人と女性5人が交代でスタッフとして働いて、4年前からここを運営されています。そば打ちを学ぶのに、皆さんで福井や岐阜に行って研修されたそうです。荒れ地を利用してそばを栽培し、ここでそば粉にしています。

「おはようございます。遅れてしまい、申し訳ありません。釣りがなかなかやめられなくって」

藤原さん「ようこそ、お待ちしておりました。ワカサギ、ようさん釣れましたか? じゃあそれは、おそばを召し上がっていただく時にお出ししますね。じゃあ早速始めましょうか」

手を洗って、2人づつ4班に分かれてスタート。そば粉8割、つなぎの強力粉が2割、の二八そばを作ります。
そば粉をふるい、強力粉と混ぜ合わせよく混ぜます。次に水を3回に分けて、固まりをつぶすような感じでよく混ぜ、丸いボールを作っていきます。耳たぶの固さぐらいが目安です。

家倉さん「僕、石川に行ったときにやったことがあるんですけど、失敗しました。ぜんぜんおいしくなかったんです...」

  • 古民家を改装して再生させた[そばの里 池原そば道場]。地元の60歳以上の方々9人で交替で働いて、運営していらっしゃいます。
  • そば粉と強力粉をよく混ぜ合わせて、水を入れながらこねていきます。

藤原さん「こねが足りなかったとか? 十割そばはつなぎがないのでブツブツになったりしますね。山芋をつなぎとして使うこともありますが」

「こねる加減で味が変わるんですか?」

藤原さん「そばのおいしさは80%こねる時で決まると言ってもいい。だから力がある人がこねるとおいしいそばができます。今日はおいしいそばができそうですね」

手の平の付け根の部分を使って体重を掛けてこねるのがポイントです。

家倉さん「餅をつく時の手返しと同じ要領ですね」

冨田さん「陶芸の土をこねるみたいな感じ」

こね終わったら、叩き付けて空気を抜きます。ここで叩いた時に生地にシワが寄らなかったらOK。それを円すい型にして、まずは直径30㎝ぐらいまでは手で均等に伸ばし、それを板の上で棒を使って伸ばしていきます。4班ともなかなか順調です。途中で[冨田酒造]の冨田さんも合流し、そばを伸ばす作業へ。
そばは、伸ばす時の手の動作が独特。手の平ではなく、猫の手のように手を丸めて棒の上で回しながら前へ前へと伸ばしていきます。向きを変える時は棒に一旦巻き付けて、棒を縦にしてまた広げます。

  • こね終わったものを、まずは全身の力をこめて手で伸ばしていきます。
  • 手のひらを猫の手のように丸めて棒を転がしながら、前へ前へと伸ばしていきます。

薄くなればなるほど、破れやすくなるので注意が必要です。 最終的に1.5mmぐらいの薄さまで伸ばします。

最後は生地を折りたたみ、こま板という定規のような道具を使って、そば切り包丁で均等な細さに切っていきます。コツをつかんで慣れれば簡単ですが、初めての人にとっては最も緊張する場面かもしれません。案の定、均等というわけにはいきませんでした。

出来上がった順番にそばを湯がいていき、ざるに盛ってもらい、いよいよお待ちかねの試食。4つの班のそばを食べ比べられるように、分けてもらいました。さて、そばの味比べの結果は... 。

「結局、自分が打ったそばがおいしく思えるよね(笑)」

朝に釣ったワカサギも天ぷらにしてもらいました。かなりお腹いっぱいになり、食後はいろりの周りでまったりしながら、藤原さんにお話を伺いました。

「どういういきさつでここを始められたのですか?」

藤原さん「過疎化が進むこの池原という集落で、使われていない農地の利用を話し合う中で、そばの栽培の案が出たんです。我々9人は、みんな60歳以上。高齢者の介護と予防、そして若者との交流をはかるために、『池原の自然と環境を守る会』を発足したんです」

  • こね終わったものを、まずは全身の力をこめて手で伸ばしていきます。
  • 途中から駆け付けた冨田さんも、早速、伸ばし作業に参加。なかなか堂に入っています。

「そばの栽培からされてるんですよね。それをこの池原で、こういう"そば打ち体験"という形で運営されているのが素晴らしいと思います」
「ほんものの地産地消ですね」

藤原さん「自然と環境を守る、ということがテーマでもあり、無農薬・無添加にこだわって、この地で栽培したそばだけを使っています。他から仕入れたそば粉では、ここでやる意味がないんで」

「なんだか、カッコいいです。皆さんとてもいきいきしていらっしゃる」

藤原さん「また是非いらしてください」

「ごちそうさまでした! とてもおいしかったです」

1.5mmぐらいの薄さにまで伸ばしたところで、折りたたんで、そば粉を打ちます。
上に載せているのが「こま板」。これで細さを均等に調節しながら切っていきます。
切り終わったそば。初めての割には、みんな意外と上手にできたんじゃないでしょうか。
出来上がった班のそばから、沸騰したお湯で湯がいていきます。
湯がき終わったら、氷水でしめます。これでそばにコシが出ます。
4つの班のそばを食べ比べて...。自分たちで打ったそばは、美味しさも格別です。

そばの里 池原そば道場

長浜市余呉町池原1337-2
TEL/0749-86-3727
お食事/10:00〜15:00(食事は土日祝のみ)
そば打ち体験/平日10:00〜16:00(3日前に予約)、土・日・祝10:00〜15:00(予約不要)

そば打ち体験 一打ち3,000円(4〜5人前、お持ち帰り可能)
体験後の食事1,000円(おかず、ご飯付き)
http://www.geocities.jp/hikoemon55

過疎化が進む池原の集落の活性化と農地の再利用を話し合う中、高齢者の介護と予防、そして若者との交流を目的に『池原の自然と環境を守る会』を発足。藤原さんや和田さん、是洞さんたち、60際以上の方々9人で、この[池原そば道場]を運営されています。地域の活性化を地産地消というカタチで実践されているのが素晴らしいです。

このムービーをご覧になるには、FlashPlayer(Ver8以上)が必要になります。下記のリンク先より最新のFlashPlayerを入手してください。(無料)

PAGE TOP