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grafが近畿2府4県を旅して考えるきれいなくらし

10.12.22

Chapter.1 京都の街中に新しい風を流す[フローイング カラスマ]。

かつては北國銀行の京都支店だったという近代建築は、当時の日本を代表する名建築家・辰野金吾の設計により大正5年(1915年)に建てられた建造物。

銀行の支店だった建造物の、白壁で天井が高い空間。その良さをそのまま活かして、風通しの良い店内に。

朝夕はめっきり寒く、ぼちぼち冬らしい気候になってきた11月の某日、今回の1軒目の訪問先のカフェダイニング[flowing KARASUMA(フローイングカラスマ)]は、京都市内でもアクセスが良い場所なので、今回は現地集合。京都の四条烏丸から北へ5分足らず、烏丸通の西側に建つオレンジ色のレンガと白い石を組み合わせたモダンな建物が[フローイング カラスマ]です。
もともとは旧・北國銀行京都支店として、明治・大正時代の日本建築界の元勲とされる日本を代表する名建築家・辰野金吾の設計により大正5年(1915年)に建てられた建造物で、以後、オーナーが代わりながらも、その存在感たっぷりの外観は変わらず、街のシンボルとして親しまれてきました。そして2007年に、1階は昼も夜もゆったりとくつろげるカフェダイニング、2階はヨガのレッスンなどが行われるスタジオとデイスパ、という3業態の複合施設[フローイング カラスマ]としてオープン。grafがそのリノベーションと家具を含むインテリアデザインを担当しました。現在は基本的に1階のカフェダイニングのみの営業で、ジェネラルマネージャーの平間淳世さんを中心に、若いスタッフで運営されています。

「おはようございます、平間さん。今日はよろしくお願いします」

平間さん「おはようございます。お久しぶりです。今日は楽しみにしていました」

まずは1階でお茶をいただきながら、[フローイング カラスマ]のオープンに至るまでのいきさつをお聞きしました。実はこの店に携わるまでは、飲食業には一切携わったことが無かったという平間さん。[フローイング カラスマ]を運営されている会社は不動産のオーナー業で、平間さんも烏丸近辺のオフィスで働くOLだったそうです。

平間さん「元々はスペースのレンタル業で、個々の空間にどういった方に入ってもらったらいいかを考えて営業する仕事でした。なので、この建物も最初は貸すという前提で考えていたんですが、他のビルのように新しい店が出たり入ったりでは、この建物のためにも周辺の環境のためにはならないということになったんです。約8年間ほど生活の一部としてくらしてきたエリアで、4棟ぐらい銀行だった古い建造物がつぶされていて、という流れがあって...。ここはせっかくこれだけの建物だから、やっぱり自分たちで何かやるべきだろうという話になりました。すると『アナタたちがやりなさい』って。まさかの展開だったんですが...(笑)」

「お世話になってきた地域への恩返し的な感じですね」

「それまで京都の街は四条河原町が商業地としてのメインだったけど、次は烏丸通って言われていて...。それより前に[新風館]はできていたけれど、ちょうど単体で少しずつ新しい商業施設や飲食店が増えてきていた頃でした。確か[COCON KARASUMA(古今烏丸)]がオープンして1年後ぐらいだったのかな」

  • フローリングの床、シックなテーブルや調度品、高い天井から吊り下がる照明などが、落ち着いた癒しの空間を演出しています。
  • テーブルや店内の家具などのシックな調度類もgrafによるもの。

平間さん「そうですね。ここがちょうど[新風館]と[COCON KARASUMA]との間に位置していて、全体的に活性化するようなポイントになればいいなと思っていました」

「タイミングも良かったですね。そしてまた11月に、四条烏丸角に[LAQUE四条烏丸(ラクエ)]っていう商業施設もできましたし。急な成長じゃなく緩やかに発展しているところも良いですね」

平間さんを中心に女性ばかり4人のプロジェクトチームだったため、grafでの打ち合わせも非常に印象的だったそう。

「内装のイメージだけじゃなくて、街にとってどういうコンテンツとしてあるべきか、が細かくリサーチされていて、そのリサーチ力と吸収力には圧倒されました」

平間さん「リサーチ期間は2カ月ぐらいしかなかったんですが、いろいろスクラップしたものをお見せしましたね」

「デザインはそれらのスクラップの切り貼りでは決してないんですが、結局、平間さんたちが言いたいことを1つの言葉にはせずに、こういう空気感にまとまったという感じですね」

平間さん「デッサンしてもらったり、色付けしたパースが出来てきたり、私たちが断片的に言っていたことがカタチになってできあがってくると、やっぱり素晴らしいなと感じました。

  • 入口からすぐのカウンターがあるコーナーの床には、かつての銀行時代のかわいいタイル模様が。工事でPタイルをはがしたら出てきたんだそう。
  • ダイニングの奥には、銀行の金庫だったスペースをそのまま利用したブックスペースが。重厚な扉が良い雰囲気です!

いろんな写真を持って行ってたんですが、今までの路線と違う写真が1枚でも入っていたりすると、ガラリと案が変わったりもしました。その時は服部さんにお時間いただいて、『こういうのではなく、こっちなんですよ』って服の感じで伝えたりとか。でもそういう言い方でもちゃんと分かってくださって」

「おもしろいですね、服で例えるって」

「センスや感覚が近いから、伝わりやすかったんでしょうね」

平間さん「私はgrafさんが生み出す空気感や、センスや視点も好きだったので、その感覚を崩さずにやっていただきたいと思ってたんです。だから具体的な表現ではなく"利用感"とか"アクティブ感"とか、そんな言葉をよく使ったのも覚えています」

「"アクティブ感"、そういえばよく聞きましたね(笑)」

平間さん「結局、内装工事も大きく手を入れる必要がなくて、厨房と配管を隠すために天井を貼ったりしたぐらい。暗いビルだったので光を入れるために後付けの屋根は取り除きました。自然光や空気の流れ、風の流れ、そんな"流れ"から、気持ち的にもリラックスできる空間を造り出せたら、というのがコンセプトでもあったので。でもそういう空間になったと感じています」

  • 2階には木のフローリングの感触が気持ち良いスタジオが。窓を開けると気持ち良く風が流れます。
  • ガラスケースに並べられた美味しそうなスイーツの数々。見た目も華やかです。

[フローイング カラスマ]の"flowing=流れ"は、水や気の流れ、人の流れを意味し、地名の「手洗水町」ともリンクしています。『フローイング・グッドエナジー』をキーワードに、ここで新たないいエネルギーが生み出されたり、通い合う場所になれば、という思いから名付けられました。

平間さん「イメージをすり合わせる時に、こういう感じにして欲しいというこだわりはありましたけれど、あまり作り込むことはしなかったんです。料理や人が生み出すものだったり、いろんなもので徐々に完成すればいいなと思っていたので。オープンして今4年目ですが、ようやくここ1年前ぐらいから、良い流れになってきたな、と感じているんです」

「なんか今が良い感じ、というのは普通にお客さんとしてここに来ても感じると思います」

「居心地も、空気感も...」

平間さん「grafさんにそう言っていただけるとうれしいです」

その後、現在はワークショップやイベントで不定期に使っているという2階を見せて頂いて、ランチを頂きました。平日のランチタイムは、近所のOLから年配のサラリーマン、さらに観光客らしき方までいろんな人達で大賑わいでしたが、混雑していても、天井が高く、光が入る店内は非常に開放感があり、ゆったりとくつろげました。

  • 本ズワイガニと九条ネギのスパゲッティーニ。ランチセットはお好きなパスタとサラダ、ドリンクのセットで950円~。
  • この日のランチセットのデザート、アマレッティプリン。甘さを抑えた大人のスイーツです。

ジェネラルマネージャーとしてお店を切り盛りする平間淳世さん(中央)は、細かい心遣いが快い女史です。左隣がリノベーションを担当した野澤香織さんことジョイさん。

flowing KARASUMA(フローイング カラスマ)

京都市中京区烏丸通蛸薬師下ル手洗水町645
TEL/075-257-1451
営業時間/平日11:00〜24:00、土日祝10:30〜24:00
無休(貸し切りの場合変更あり、12/31、1/1休み)
http://www.flowing.co.jp

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