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grafが近畿2府4県を旅して考えるきれいなくらし

10.07.28

Chapter.2 [アサヒビール大山崎山荘美術館]と「離宮の水」の水無瀬神宮。

続いて訪ねたのは、天王山の中腹にある[アサヒビール大山崎山荘美術館]。 かつて関西を代表する実業家であった加賀正太郎が、イギリスのチューダーゴシック 様式を模して自ら設計デザインして建造した、大正~昭和初期の建築です。登録有形 文化財にも指定されたこの建物を本館とし、安藤忠雄が設計した新館と共に1996年に 開館しました。
本館では民藝運動に参加した河井寛次郎やバーナード・リーチらの作品を、新館では 印象派のクロード・モネの代表作『睡蓮』の連作を展示しています。小泉さんとgraf の荒西さん、川西さんたちは昨年末、この美術館の忘年会でのライブを依頼され、本 館内で演奏するという特別な経験もしたそうです。

現在では美術館として全国から多くの方が訪れる施設ですが、それ以前は会員制レ ストランとして営業していた時期もあり、もともと地元に根付いているこの建築。こ の町に住む40歳代の方の中には、子どもの頃に美術館の裏にあるプールで遊んでいた 、という人もいるそうです。
学芸員の山城さんに館内をご案内いただきました。

小泉さん「こんにちは山城さん、今日は大人数ですがよろしく お願い致します」

山城さん「ようこそお待ちしておりました。では簡単に館内を ご案内しますね」

「初めての者も多いのでよろしくお願いします」

リビングやダイニングなど、本館の各部屋を順番に案内していただきました。加賀 正太郎という人物は、企業家であって建築家ではないけれど、人一倍建築に関しては こだわりがあったようです。建物に使われている石の産地や掘られた模様、レンガの 積み方、ガラスのカットまで、実に細かい部分まで妥協が全くなく、完璧!

山城さん「このダイニングルームは、木の使い方がおもしろい んです。同じ部屋の中で、加工している木としていない木を巧みに使い分けています 。加賀は林業も営んでいたので、こういうことができたんだと思います」

「わざと原木を装飾的に使っているんですね。おしゃれやな!」

山城さん「おもしろいのが、リビングルームのこの木のレリー フに施された模様。小泉さんとも関係のあるものがモチーフになっています」

小泉さん「あ、筍や! 何回も来ているけど、気付きませんで した」

「なんだか地元愛を感じますね。素敵」
「さっきもソファの横にありましたけど、このボタンは何ですか?」

各部屋とテラスにまで、壁にインターフォンのような小さなボタンが付けられてい ます。付けられている場所から想像するに、照明のスイッチではないような...!?

山城さん「使用人を呼ぶための呼び鈴でした」

「すごい! どこにいても使用人を呼べるように、いろんな場所に設置されている んですね。例えるなら、今の携帯電話の代わり?」

他にも、加賀正太郎がスイスアルプスの高峰・ユングフラウを22歳で登頂した時の 洋服などの展示(取材時に企画展として開催)や、昭和初期には1万鉢もあったとい うライフワークの洋蘭の栽培、かの文豪・夏目漱石にこの山荘の名前を依頼しておき ながら、その提案を蹴って自ら「大山崎山荘」と名付けたというエピソードなど、山 城さんの話を聞いていると、粋なセンスと自分が好きなスタイルを貫く加賀正太郎の 姿勢や人間像がくっきりと浮かび上がってきます。イギリスかぶれのセレブで、クリ エーターであり、プロデューサーでもあり...。もし今の時代に加賀正太郎が生きてい たら、どんな建築を、またはどんな事業を手掛けていただろう、と思いを馳せました 。

  • [アサヒビール大山崎山荘美術館]。所蔵品の中核は朝日麦酒(現アサヒビー ル)の創業者・山本為三郎の収集したコレクションが中心。
  • 大山崎山荘美術館の模型。天王山の起伏に富んだ地形を利用して、加賀正太郎 が1932年に完成させた本館と、安藤忠雄設計の新館からなる。
  • 安藤忠雄の設計による、「地下の宝石箱」と称される現代建築の新館。クロー ド・モネの名画『睡蓮』の連作が展示されている地下への階段。
  • クロード・モネの名画『睡蓮』を思わせる庭園。
  • 単純に作品を展示するだけでなく、作品の周りの緑の配置など、演出のための 細かい気遣いがあちらこちらに見受けられます。
  • これがリビングルームの天井の木の廻り縁の部分に施された筍の彫り物。加賀 正太郎の細部に至るまでの遊び心と山崎の地への愛が見られます。
  • テラスからは真下に木津川・宇治川・桂川の3つの川が淀川へと合流する美し い風景を見ることができる。
  • 加賀正太郎がスイスアルプスの高峰・ユングフラウを登頂した時の服装が展示 されていました。英国トラッド調でかっこいいでしょ!

アサヒビール 大山崎山荘美術館

京都府乙訓郡大山崎町銭原 5-3
TEL/075-957-3123(総合案内)
開館時間/10:00~17:00(最終入館~16:30)
11:30~18:00
休館日/月曜休(祝日の場合翌日休)
※7/20~9/30までは本館バリアフリー化工事のため、休館
http://www.asahibeer-oyamazaki.com

京都の大山崎町と隣接している大阪の島本町。
町の大部分は西山山塊や天王山を中心とした丘陵で構成されており、東南部は桂川、 木津川、宇治川の合流によって形成された沖積地が広がっています。この平野と盆地 に挟まれた独特の地形と湿潤な気候は、ウイスキー造りの理想郷とされ、サントリー の山崎蒸溜所があることでも有名な町です。

「名水百選」に大阪で唯一選ばれたのが、この地にある水無瀬神宮の「離宮の水」 。水無瀬川の伏流水で、井戸から汲み上げられています。水無瀬神宮は後鳥羽天皇・ 土御門天皇・順徳天皇を奉る神社で、中でも後鳥羽上皇は隠岐に配流されてからもこ の水無瀬を偲んだ歌を残すほど、この地を気に入っていたそうです。鎌倉初期に後鳥 羽上皇が建てた離宮が、この神宮の由来となっています。

離宮の水は、取水時間を過ぎていたので残念ながら試飲できませんでしたが、お参 りして帰りました。

国指定の重要文化財、水無瀬神宮。承久の乱で隠岐に流され崩御した後鳥羽上皇 の遺勅に基づき、上皇の離宮跡に御影堂を建立したことに始まる。
毎年6月の間は「茅野輪(ちのわ)くぐり」といわれる「夏越(なご)しの大祓 」ができる。厄除招福、無病息災、健康長寿にご神徳があると伝えられている。
これが名水百選に選ばれた「離宮の水」。取水時間の6時~18時以外は水を酌む ことが禁じられています。
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