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grafが近畿2府4県を旅して考えるきれいなくらし

09.11.18

Chapter.2 『ガラスは寿司と思え!?』 初めての吹きガラス体験

[fresco]では吹きガラスの講座の他に、初めての人や講座を受ける前のお試しとして毎週日曜日、吹きガラスの体験教室を開催しています。
そこで今回は、みんなで体験してみることに。
[fresco]のガラスはショールームで見慣れていて、graf のスタッフの多くは[fresco]の工房を訪れたこともありますが、吹きガラスを体験するのは全員初めてです。

今回は、辻野さんのお知り合いの堺在住の陶芸家、福岡彩子さんも吹きガラスを一緒に体験することに。
福岡さんは、堺市の庭代台で[Studio Re]という陶芸教室をされていて、[graf living:shop/showroom]でも彼女の器を扱っています。
辻野さんや堺のギャラリー[Oogi]の井出さんらと一緒に、10/31~11/1 に開催された『第1回 堺クラフトフェア 灯しびとの集い』の実行委員をされていました。

[fresco]のブルーの外観の工房は、天井が高く、シャッターを開けるとオープンな空間になります。工房の壁には鹿の角のようなガラス製のオブジェが飾られていたり、古いバイクが飾ってあったりと、そこかしこにアメリカ西海岸のテイストが見受けられます。
窯の横に並べられた色見本の丸いガラスも、飾りのようできれいです。
工房の周りにも緑が広がっていて、作業しながらも外の緑が見えます。

  • 中央が陶芸作家の福岡彩子さん。辻野さんとともに『第1回 堺クラフトフェア』の実行委員を務められました。
  • 『第1回 堺クラフトフェア 灯しびとの集い』のポスター。その様子は後記のレポートを。
ブルーの壁の工房は広々と開け放たれた空間。赤の「FRESCO」のロゴもアメリカ西海岸風だ。
ショールーム兼ショップの入口には米国のビンテージバイク。こんなLightningなノリも辻野さん流。
色見本として並べられたカラフルなガラス。これ自体、オブジェのようにも見えてポップです。

「前に来た時も思ったんですけど、いつも工房の中まできれいですよねー」
「やっぱり火を扱うから余計なものがあると危険だから?」

辻野さん「それもありますが、もともとここを作る時『レストランのような工房』をコンセプトにしたんです。レストランって気軽に人が出入りするし、きれいでしょ。ここも人に来てもらうことを前提にしてるので、常にきれいにしていますね」

「体験のお客さんや生徒さんが出入りしますもんね。それにしても同じ工房やのにえらい違いやわ」

川端さん「うちもショップとは違って工房の方は雑然としているので、えらい違いです...(笑)」

まずはみんな作りたいガラス食器の形と色を決めます。形は、普通のコップ、取手付きのマグカップ風なもの、ボウル、皿、フラワーベースなど。
色は透明をベースに色のチップを入れた模様、透明なカラー、不透明なカラーなど、見本を見ながら選びます。

オプションでペーパーウェイトも作れます。
こちらは透明なガラスの中に入れるパーツを3 種類選んで自由に配置。
吹く作業はなく、型に流し込むだけ。
ここで初めて溶解炉から出されたばかりの、溶けたガラスを間近に見ました。

「オレンジ色の水飴みたい!」
「なんだかおいしそう...」

  • 木工作家の川端さんと家具職人の荒西さん。木とガラスと扱う素材は違いますが、職人同士、通じ合うところは多いようです。
  • 様々な形と色、デザインのガラス食器。これを見本に、自分が作りたい形と色を決めます。
  • ペーパーウェイト作りに使う色鮮やかな飾りガラスの数々。形も星型やピン状など様々。
溶解炉から取り出した溶けたガラスをこうして鉄の型に流し込みます。
鉄の型に流し込んだ溶けたガラス。きれいなオレンジ色が飴のようできれいです。
これが型から取り出したばかりのペーパーウェイト。これをじっくりと冷やしていきます。

ガラスを付けた鉄の竿を転がしながら紙リンでガラスを整形していきます。コツがいる作業です。

溶解炉の扉が開閉するだけで、モワンと熱気を感じます。溶解炉の中には素焼きの大きな壺が入っていて、その中に溶けたガラスが入っています。だいたい1300℃ぐらいですが、竿にガラスを付けて溶解炉から取り出して外気に触れた時点で、温度は1000℃ぐらいに下がります。

いよいよ吹きガラス体験。人数が多いので[fresco]のスタッフの中野さんと北沢さんを中心に、2つのチームに分かれて行います。
最初に中野さんがお手本として実際に作りながら流れを説明してくれました。

川端さんも紙リンでガラスを整形する作業に真剣です。「溶けたガラスって、意外に固いんですね」

まずはガラスで小さい透明の玉を作ります。
ぬれた新聞紙でできた「紙リン」を右の手の平に置いて、その上で溶けたガラスの形を整えます。
紙リンを通してガラスの熱が手のひらにつたわってきます。でもあてているだけなので、そのガラスの柔らかさは分かりません。
形が整ったら色のパウダーやパーツを付けて、また紙リンで形を整えます。

形が整ったら、いよいよ吹く作業。

川西さんの紙リンでの整形作業。スタッフの2人に補佐してもらいつつ、真剣な作業です。

北沢さん「最初は強めに回しながら吹いて下さい」

竿の長さがあるからか、吹いてからガラスが膨らむまで少し間があります。
ついつい吹くことに集中してしまい、回すのを忘れてしまいますが、そこはスタッフの2人がちゃんとサポートしてくれます。

佐藤さんも初めてのガラス吹きに真剣。息を吹いてからいるうちに顔が真っ赤になります。
川西さんも一所懸命にガラスを吹いています。初めてなので、吹き込む息の強さなどが難しい。
川端さん、いよいよガラスに息を吹き込んで膨らませる作業に挑戦! 吹きガラスの正念場です。

線を付けて、切り離すためのくびれを作り、次に木の板をあてて底になる部分を作っていきます。
だいたい形ができたら、底の部分に別の竿を付けて移し替えます。
切り離した先のくびれの部分がコップなら口になる部分です。
今度はここを道具を使って慎重に広げていきます。
最初は軽く、じわーっと力を入れながら広げて...。
力の入れ加減が難しい瞬間です。そして形を整えて完成!
できたガラスは徐々に温度を下げないと割れてしまうため、後日送ってもらうことに。

今度は鉄の道具でガラスにくびれを作る作業です。慎重な作業が続きます。
グラスの取手を付ける作業の川端さん。初心者にしては上手に付けられました。
こちらは服部さん。いつもの木と違って、ガラスは直接、触れないので難しい!

底の部分に別の竿を取り付けて、手に持っている竿を鉄の道具でトンと叩くと、元々の竿が外れます。

だいたい一人10~15 分ぐらいで完成。あっと言う間です。初めてなので言われるがままの動作を一生懸命こなしている感じでした。
ある意味時間との勝負!?
木工職人の川端さんと陶芸家の福岡さんは、同じ作家でも全く異なる作業工程に驚いた様子。
木工も陶芸もガラスもカテゴリーとしては同じ食器なのに、「素材が違うとこんなに作り方が変わるんだな」と改めて実感。

荒西さんは取手付きのグラスを作成。取手の部分を曲げるのが難しい。これでビールを飲めば美味しさも格別!

川端さん「子供用に取手が付いたグラスを作りました。木工と違って、直接ガラスに触れないのがもどかしいですね。全然違う。溶けたガラスは見ていると柔らかそうに思いますが、意外と固いのにもびっくりしました」

福岡さん「陶芸とも全然違いますね。ホントに触れないのがもどかしい...。あっと言う間に完成しますし。陶芸も形を作る時は早いですが、まだ窯入れがその後にありますので」

他のメンバーも吹きガラス初体験に興奮、奮闘でした!

「ミリ単位で整形するのが難しい」
「お皿の形に伸ばしていく工程がおもしろかった」
「特別な技術がなくても、すぐできるのがおもしろい」
「初めていろいろ焦った。1 人では絶対できない!」
「繊細なのか力がいるのか分からなかった。もう1 回やりたい」
「もし吹かずに吸ってしまったら...とか考えてしまった(笑)」

吹きガラスの難しさと楽しさを体験した後は、辻野さんがデモンストレーションを披露してくれました。
スタッフの中野さんが、作業工程の内容や使用している道具の説明をしてくれました。
辻野さんが使用する道具は、みんなが吹きガラスの体験で使った道具とは若干違っていて、溶解したガラスを切断するハサミや木の型など様々です。

辻野さんを中心に、北沢さんと研修生の中村さんがアシストにまわります。

2種類の異なった色のものを別々に作り、最終的に合体させて1つの作品を作ります。
口元の部分に薄く色のガラスを巻き付ける『リップ』という技なども披露してくれました。

辻野さんからの細かい指示がなくても、次の動作がスムーズにいくように、キビキビと時には小走りで動くスタッフ。
流れるような一連の動作を見ていると、ガラス工芸は完璧なチームプレイだということが、よく理解できました。作品が完成した瞬間には、自然と歓声と拍手が。
辻野さんは「ガラスは寿司」とおっしゃっていましたが、このキビキビした動きもまた、どこかお寿司屋さんに通じるような気がしました。

  • 口元の部分に薄く別の色のガラスを巻き付ける「リップ」の作業。お互いの息が合っていないとできない作業です。
  • 辻野さんの作業には動きに無駄が無く、流れるようにスムーズに作品が出来上がっていきます。
  • ガラスを整形しつつ、バナーの炎で熱したりも。さすがのテクニックに見入ってしまいます。

2001 年、ガラス工房をオープン。2005 年に[fresco]ブランドを立ち上げ。

もともとは、アートの表現方法として吹きガラスという媒体を選んだ辻野さんでしたが、[fresco]では、現代の生活環境にガラスという素材で様々な提案をしていくことをモットーに、日常生活で使える総合的なアートとしてハンドメイドのガラスを作り続けています。
辻野さんが「日々チャレンジ」とおっしゃっていたように、ブランドとしても新しい試みに取り組んでいます。

型吹きのシリーズ[solito](2,520円)。透明なガラスの表面に、ガラスのパウダーで様々な色を着色している。

例えば、昨年商品化した型吹きによるシリーズ[solito]と[aio]。
[solito]は表面にガラスのパウダーで着色している型吹きグラス、[aio]はスタッキングできる透明のグラスです。
ガラス製品はオートメーションだと1分間に約400 個もできるので、単価も安くなりますが、逆に型を使わず中空で吹き上げて作る「宙吹き」の場合、大量生産ができないので当然、値段も上がってしまいます。
そこで考えられたのが「型吹き」。
宙吹きよりも簡単で作るスピードも速いので、単価も安くできるんだそう。

この透明なグラスはスタッキングが可能な型吹きシリーズ[aio](2,415円)。箱付きでギフトにもおすすめ。

辻野さん「実は『型吹き』をなめていた部分もあったんです。でもやってみるとそれなりにノウハウがあって、薄くならないとかいろんな問題が山積みで...。加えて、フレスコらしさも出さなきゃ意味がないんで、試作はかなりしましたね。無駄はいっぱい出るし、業界としては逆行しているんですけど、今はそれを糸口として、その分野の厚みを膨らませていきたいと思っています。型吹きでももちろん手作りなんで、手作りのグラスを暮らしの中で使う感触を知ってもらえたら」

もう一つ、新しい試みとして今年、辻野さんが実行委員長として携わったのが、10/31~11/1 に堺・大仙公園で開催された『第1回 堺クラフトフェア 灯しびとの集い』です。
長野・松本を筆頭に、倉敷や益子など今や日本各地で開催されているクラフトフェアですが、もちろん堺での開催は今年が初めて。ちなみにクラフトフェアとは、多くは公園など屋外で開催される、作家自身が直接展示、販売するスタイルのマーケット。
イメージとしては陶器市ですが、陶器だけでなく、ガラスや布、木工など様々なジャンルの作家が集います。
クラフトフェアがきっかけで有名になった作家も多く、作り手にとっては登竜門でもあり、情報交換の場でもあります。

工房の空間だけでなくのスタッフの皆さんもオープンマインドな印象なのも、辻野さんのお人柄によるのかな、と思います。

開催のきっかけは、陶芸作家の福岡彩子さんと[Oogi]の井出さん(お2人とも実行委員です)の会話から。 福岡さんは出展側として、そして井出さんは仕事も兼ねてお客さんとして、各地のクラフトフェアによく参加していました。
お2人の出会いも数年前の松本のクラフトフェアだったとか。

福岡さん「たまたま同じ堺ということもあり、『堺でもできたらいいよね』という話になったんです。それで辻野さんに相談してみたところ、是非やりましょうって賛同していただいて」

辻野さん「僕は実はクラフトフェアへの出展の経験はないんですが、海外でもクラフトフェアはメジャーで、ユーザーと作り手の接点にもなり、とっても充実したものでした。で、『堺でクラフトフェアができないか』という話を聞いておもしろそうだなと」

福岡さん「私自身、クラフトフェアはバイヤーさんと出会える場でもあり、販路も広がった経験もあるので、地元でできることになってうれしいです。見るのは誰でも自由だから、敷居が高くないというか。青空の下でとにかく気持ちがいいですよ」

ガラス工房の横にある[Cot Cafe]。ミッドセンチュリーモダンなテイストが感じられます。

辻野さん「うちのカフェの[Cot Cafe]も飲食ブースとして出店するんです。とにかく来年以降も続けていくには初回の今年、成功させないと。そのためにgraf さんをはじめ、身近な人にも協力してもらいました」

初回にも関わらず、出展希望の作家さんの倍率は5倍、と注目度もまずまず。
grafは代表の服部滋樹さんが、選考委員として参加しました。
ゲスト作家でトークライブも行うガラス作家の高橋禎彦さんや招待作家12 名を含め、出展する作家は総勢73 名。
この連載でも取材した華道家の片桐功敦さんの生け花展示もあり、今回、同行して頂いた滋賀の[マンマミーア]の川端健夫さんも木工作家として出展します。

辻野さん「厳密には実行委員の中で僕だけが、堺在住じゃなく和泉市なんですけどね(笑)」

取材に訪れたのはクラフトフェアの開催前でしたが、話をきいて余計にクラフトフェアが楽しみになってきました。

『第一回 堺クラフトフェア 灯しびとの集い』
http://tomoshibit.exblog.jp

山裾にある[fresco]は、午後6時を過ぎる頃にはあたりは真っ暗。吹きガラス体験みたいなあっという間の一日でした。吹きガラスの体験で作った作品が送られてくるのも 楽しみです。

fresco(フレスコ)

大阪府和泉市小野田町259
TEL/0725-90-2408
営業時間/工房は11:00~18:00(土曜のみ9:45~20:15)
第3水曜休み
ショールーム&ショップは12:00~18:00
併設のカフェ[Cot Cafe]は11:00~17:45(L.O.)
火・水曜休み
http://www.studio-fresco.com

『第一回 堺クラフトフェア 灯しびとの集い』レポート

[fresco]さんに取材にお伺いした後日、辻野さんや福岡彩子さんが実行委員として、10/31(土)と11/1(日)の2日間、大仙公園内で開催された『第一回 堺クラフトフェア 灯しびとの集い』に伺いました。
朝10時からのスタートで、初日の11時頃に行ってみると、すでに大にぎわい!
周りを芝生と木々に囲まれた催し広場に建てられたいくつものテントは、多くの人でにぎわっていて、出展されている作家さんと話し込む人、しゃがんで商品をじっくり見ている人など、ほのぼのとした雰囲気。
来られていたお客さんの層は、女性を中心に20歳代から60歳代ぐらいまでと幅広く、土日とあって、ベビーカーを押しながらお子さんを連れて家族で来られている方も多く見られました。
堺市内や南大阪の方よりも、もっと遠方からわざわざ来られた方の方が多いのでは? という印象。
たまたま会場でお話した女性も奈良から一人で来られていました。
関西近郊のギャラリーやショップの方や作家の方々とも何名かお会いし、やはり皆さん注目されていて、楽しみにしていたとのこと。
[fresco]さんに一緒に取材に行った滋賀の[マンマミーア]の川端さんもブースを出展されていて、木工のハンドメイドのスプーンやフォークを売っていらっしゃいました。
初めて開催された今年の大盛況を受けて、来年以降も、2回目、3回目と続いて、昔から職人の技巧が受け継がれてきた堺の、新たなクラフトの名イベントが続きそうです。

Fin
(取材/天見真里子)

  • 『第1回 堺クラフトフェア』の会場、大仙公園の様子。秋の柔らかい陽光の下、たくさんの人々で賑わっていました。
  • [高林家住宅]で行われた、デザイナーの小泉誠さんとガラス作家の高橋禎彦さんのトークライブ。司会は辻野さん。
  • 華道家の片桐功敦さん。「ガラス作家・高橋禎彦さんのガラスの花器に花を生けました。素晴らしい体験になりました」
  • 取材に同行した[マンマミーア]の川端健夫さんも木工作品のブースを出展。なかなかの人気でした。

grafからのメッセージ

今や[graf living:shop/showroom]の定番商品でもある[fresco]のガラス。
辻野さんには展覧会やイベントでも随分長くお世話になっているけれど、改めて取材させて頂くと、新しい発見や知らなかったことがたくさんありました。
また、ガラス工房を立ち上げるまでの話などをお聞きしていると、時代や場所が変わっても1つの事を貫き通す事で生まれるパワーを感じました。

吹きガラス体験について...
何度か[fresco]を訪れたことのある私も、吹きガラスを体験したのは初めて。
実際のガラス作りの作業はスタッフの方々にかなりサポートしてもらいました。
自分の手だけではとても作れなかったと思います。
熱したガラスはとんでもない熱さ!
危険な作業である事を再確認しました。
みんなそれぞれ、普段の仕事の目線から、自分の仕事との違いなど、様々に感じていたようです。

「製造や制作という職種は僕らの仕事と同じですが、ガラスは形のないところ(液状)から造形していく、一発勝負なところがとても緊張感がありました」

「木工はイメージではなく図面などがあり、それに向かって制作していくというのが常。
作るというプロセスは同じでも、ガラスは見る見るうちに形になって生まれていくところが、僕らがやっている木工とは全く違うところだな、と思いました」

「僕は普段は料理の仕事をしているので、料理に例えると、ガラス細工はお菓子作りに似ていると思いました。お菓子作りはカタチのない砂糖、小麦粉、卵から形を作っていく作業で、その辺りがダブって感じました」

「吹きガラス制作が一人では決して成り立たない、共同作業であるということを改めて痛感しました。作家といわれる人の中には、何人かで制作していても一人を好んでストイックに制作される方、まるっきり一人で全部作り上げる方など、様々ですが、一人では成り立たない吹きガラスの工房ならではの、いいチームワークの『気』を感じました」

ガラス作りについてお聞きした辻野さんの言葉の中で、特にみんなの心に響いたのは、なんといっても「吹きガラスは寿司作りや!」の一言。
材料を触り過ぎると鮮度が落ちてゆくところなどは、本当に寿司にそっくり。
25年の経験から溢れでる言葉に関心させられました。
制作のデモンストレーションでは、辻野さんの技術の素晴らしさを改めて感じました。

「今後も大切に扱い、お客様に[fresco]のことをちゃんと伝えられたらと思っています。そしてもっとたくさん[graf]で紹介させて頂きたいと思いました」

[fresco]の工房について...
[graf]の工房といえば木工、または厨房なので、ガラスの工房は新鮮だったようです。

「何処に目を向けても見た事のない機械ばっかりだし、何処にいれば安全かも分からないし、知らない事だらけでとってもワクワクしました」

しかも工房内はいつもきれいに掃除されていて、お客さんはもちろん、突然の仕事の訪問者でも、ちゃんと迎えられるような体制。
「レストランのような工房がコンセプト」と聞いた時は、みんなが納得。目からウロコでした。

環境やくらしについて...
自然の中にある工房のロケーションや和泉市の山裾という環境については、やはりうらやましいの一言。

「制作に集中できるだろうし、訪れる人にとっても、お腹をみたして一息つくことのできるカフェもあるのは、とてもうれしいことだと思います」

「辻野さんもいろんなワークショップなどをされていますが、いわゆる『山ごもり組』の人たちの方が、街の人よりもいろんなことに敏感になっているような気がします」

「ガラス工房は溶解炉をずっと燃やしておかないといけないこともあり、広い場所が必要ということで、あの場所を選んだんだと思うのですが、実際に自然に囲まれた工房で改めて[fresco]の作品を見ると、そこでくらしているからこそ、[fresco]のガラスの作風が出来上がるものなんだな、と感じます」

「季節の移り変わりや、近所の畑になる野菜や果物、日課で登る山の風景。毎日受けとる情報が私たちの暮らしとは大きく違います。辻野さんはそこから色々なことをくみ取って作品に表現しているんだな、と思いました。辻野さんだからこそ感じとることが出来る部分も大きいと思います」

ガラスの作品が出来上がるまでの流れが自然で、仕事とくらしが一体になっている感じ。
毎日のくらしで心と身体で感じた様々な想いを作品に投影させている姿。
環境も人も、とても心地よい場所で、同じモノ作りをしている者として、教えられること、感銘を受けることが一杯でした。

お別れ際に[fresco]のスタッフの皆さんと記念撮影しました。丸1日ありがとうございました。

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