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grafが近畿2府4県を旅して考えるきれいなくらし

09.09.30

Chapter.1 水都大阪2009『PLAY! SURVIVAL~つかの間の野外レストランとその出来事』の企画から設営まで。

8月22日のオープニングイベントの様子。様々なイベントを通して、お客さんとスタッフが繋がる場所として「つかの間レストラン」のカウンターが機能する。

「水都大阪2009」の中で、北浜の難波橋から天神橋までの川に浮かぶ中之島エリア一帯で開催中なのが「水辺の文化座」。
北浜側から歩いて来ると、バラ園を抜けて、様々な催しが行われる小屋が立ち並ぶその入り口付近にgrafの作品(通称:「つかの間レストラン」)はあります。
ドリンクなどが販売されるカウンターがあり、その周りには、アーチを描くように全長約40mの長~い木製のカウンターが。
雨除けや日除けがあったり無かったり、カウンターの高さも均一ではありません。

木製のカウンターにはプランターがはめこまれていて、52日間の会期中にここで野菜を栽培しています。

でもこの野外ならではの厄介な環境を、みんなで工夫して楽しんでしまおう、というのがこのレストランのテーマの1つ。
また、このカウンターの上にはプランターもはめ込まれていて、会期中の52日間で野菜を栽培するという試みも。

まずは、grafが「水都大阪2009」に参加することになったいきさつと、企画までのあれこれの試行錯誤の話を伺いました。

「水都大阪2009」に携わったgrafのメンバーは、
岡田真紀さん(全体統括)、置田陽介さん(AD、イベント企画運営)、服部智樹さん(製作)、井上真彦さん(設計)、堀田裕介さん(料理長、飲食運営)

grafが「水都大阪2009」に参加することは、実は昨年から決まっていました。
昨年10月、「水都大阪2009」のプロモーション活動の一環として湊町リバープレイスで開催された「川と生きる都市・大阪LOVE RIVER~水都大阪2009へ向けて~」に参加したのが始まりです。

堀田「昨年の『LOVE RIVER』は、実験的なプレイベントのようなものだったんです。これが終わった11月ぐらいからこのメンバーで話し合いが少しずつ始まりました。実行委員会からの最初の指示は『大阪の食をイメージさせるような作品を』というざっくりとした内容でした」

置田「昨年のイベントでの出店は露店寄りでしたが、今回はアートのお祭りというイメージ。話し合いで『大阪の食文化って何だ?』となり、新世界にリサーチに行ったんです」

堀田「大阪の食文化といえば、カウンターでの接客、という印象もあり、昔からカウンターだけの立ち飲み屋さんが根付いている街、新世界に行ってみました」

岡田「僕と井上は大阪出身じゃないんで、大阪の食文化ってピンと来なかったんですよ。でも行ってみて、あーなるほどと思いましたね。カウンターで全然知らないお客さん同士でも、テレビで野球中継を見ながら一緒に応援して盛り上がっていたり。そんな感じで、カウンターを介して、お客さん同士や店員とお客さんの間で何か出来事が起きないか、というのが最終的なテーマに落ち着きました」

  • 7月下旬、初めて現地の下見。まだ何もありません。ここにつかの間レストランが造られます。
  • 7月30日、緩やかに円を描くカウンターの骨組みを組み立てていきます。
  • 製作担当の服部さん(左)。52日の間、事故のないように、柱の埋設は慎重に頑丈に行います。
  • 7月31日。円を描くカウンターの枠組みが徐々に出来上がりつつあります。.

8月17日。AD、イベントの企画・運営担当の置田さん(右)と製作担当の堀田さん。連日の炎天下での作業で2人とも真っ黒に日焼けしています。

置田「それと、大阪の店ってあまりちゃんとした材料がそろっていなくても、工夫して寄せ集めてきて成り立ってるじゃないですか。コラージュ的というか。ビールケースをテーブルにしたりとか、何か分からない缶とかプラスティックのケースがプランターになっていたり。店の構造も、入り口は別々の店だけど壁の奥で2つの店が繋がっていたり。とにかく写真を撮りまくりましたね」

服部「その店その店の工夫や寄せ集めがおもしろいから、そういうのを作品化しようというプランもあった。いろんなカウンターがつながっているけど少しずつ全部違うみたいな。絶対できなかったけど(笑)。ボツ案はめっちゃ一杯ある!」

スタート3日前の8月19日。真夏の炎天下の下、設営スタッフは連日、会場に貼り付いての準備作業で、体力もピークに。

置田「そうそう。カウンターは最初は途中までしか作ってなくて、残りはワークショップにしてお客さんと一緒に作っていくプラン、とか。でも開催されるのは真夏だし、暑さでお客さんが倒れるんじゃないか、ってボツ...」

岡田「そういうまさにサバイバルな案はたくさん出たよな。何回もしゃべってはなえて、ケンカして、の繰り返し...」

井上「もう1つ、カウンターにプランターがあって、そこで野菜を育てるというのも特徴です。お客さん同士やお客さんと店員さんを繋ぐ場所としてカウンターがあるように、食べるという行為と野菜を植えるという行為もカウンター上で繋げることで循環させられないかな、と」

岡田「置田は『感じる』をキーワードにしてたよね」

スタートの3日前、最後の準備作業で大忙しのgrafのスタッフにお話しを集まってもらって、聞きました。

置田「そう。カウンターの高さが場所によって違っていたり、屋根があったり無かったり、っていう快適とは言えない野外の環境だから、ある人は座りやすい場所を自分で探すかもしれないし、別の人は日陰だからと立つかもしれない。そういう風に自分で感じてアイデアが引き出される装置としてカウンターが機能したらおもしろいなって。野外って雨が降ったら人が減るし、明らかに条件が悪い。でもこの環境を逆手に取って楽しもう、っていう意味での『PLAY! SURVIVAL』なんです」

8月6日、全長40mの長いカウンターが出来上がりました。このカウンターを介して、52日の間、どんな出会いや出来事が生まれるか?

岡田「でもやっているうちに僕らの方がホンマにサバイバルになってきた(笑)」

服部「僕らが楽しんで作らなどうすんねん、て。だから真夏の炎天下での会場制作作業で、日焼けで真っ黒ですよ(笑)」

この「つかの間レストラン」の目玉とも言えるのが、会期中の毎週末ごとに繰り広げられるイベント。
ライブやワークショップ、演劇など、grafと交流のあるアーティストらが、一堂に集います。

9月下旬の時点ですでに終わっているイベントでは、フランスのバルーンアーティストとアコーディオン集団[リュクサンブール公園]によるセッションライブ、フリースタイルの演劇集団[子供鉅人]によるパフォーマンス、お客さんが自分でランチョンマットを作るワークショップなども。
また9/23(祝)にはオルタナティブ音楽イベント『SONIC+』の番外編として、今、大阪で最も勢いのあるバンド[neco眠る]のライブが、9/26(土)には、この連載の次回に登場予定の堺の華道家・片桐功敦さんによるいけばなのパフォーマンスも開催されました。

こうしたアーティストのブッキングからイベントの企画までに携わった置田さんと、飲食運営担当で自らもオープニングで食を絡めたパフォーマンスを披露した料理長の堀田さんに、イベント企画までの経緯や意図をきいてみました。

今回のgrafの「つかの間レストラン」には、EEIEプロデュースで「ル・クルーゼ ジャポン」にご協賛頂いて、カラフルな鍋や食器の数々をご提供頂きました。

置田「grafでもよくイベントをやっていたのですが、ここは屋外という特殊な場所な上に、grafを全く知らない一般の人や通りがかりの人も多いから、アート的なことよりも、分かりやすくしないと難しいだろうな、と思って企画しました。だから誰もが食事をしながら楽しめるライブイベントが多いです。お願いするアーティストも、いろんな予測不可能な事態にも柔軟に対応してもらわないといけないので、普段から僕たちと交流のある気心の知れた人を中心にお願いしています」

岡田「このあたりも僕たちの強みというか。今までいろんな人と繋がってきたからこそできたことだよね」

堀田「つかの間レストランで出すメニューも、その日に行われるイベントに関連したものにしました。例えばフランスのバルーンアーティストのイベントなら、パリっぽいクレープやカフェオレを出したり。でも露店で出せるメニューは限られているので、その中で、僕が講師を務めているスクールの学生らと一緒に、精一杯アレンジしました。まさにここでも忠実に『PLAY! SURVIVAL』している訳です(笑)」

置田「僕らも野外でのイベントはあまりやったことがないので、オープニングから仕込んだものがどうなるのか、楽しみです。クロージングは、grafのレギュラーイベント『Taste of Folklore 6』です。京都の農業士・小泉伸吾さんの[ense]と[graf dining:fudo]による、食と音楽のライブ体感イベント。この野外だからこそできる摩訶不思議な特別な時間、お見逃しなく!」

  • こちらもご協賛頂いた吉田金属工業さんの「GLOBAL」の包丁。料理長の堀田シェフは、以前、GLOBALのデモンストレーションをしたことがあるそう。
  • 炒めものや焼きものの料理はIHクッキングコンロで調理します。これもEEIEのプロデュース。

水都大阪2009

『PLAY! SURVIVAL~つかの間の野外レストランとその出来事』で行われるイベントの今後のスケジュール

10/3(土)、4(日)12:00~18:00 サバイバルの達人・二名良日さんのサバイバル教室
10/10(土)、11(日) クロージング前夜祭 スライドショー『つかの間の出来事たち』
10/12(月・祝) クロージングパーティー『Taste of Folklore 6』

詳細はHPで
http://www.graf-d3.com/event/suito-osaka2009/index.html

最後にこの「水都大阪2009」に参加してみての感想と、今後について訊いてみました。

井上「僕自身、野外でのイベントや設計自体は今回が初めて。屋外のスペースがイメージしにくくて、みんなで緑地公園に行ってロープ張ってシュミレーションもしたんです。そんなこともあって、すごく良い経験になりました」

置田「イベントは、天候に大きく左右される場所でやったことがなかったので、ノウハウができて良かったです。飲食の場って、そこで何かいろんなことが起こることも含めての場だと思うから、イベントもこの場所でやらせてもらうようにしたんです。そこそこ準備はしてきたので、どうなるのか楽しみですね」

堀田「今まで食のイベントは、grafとしてずっとやってきているので、そういう意味ではノウハウや自信を含め、よくできていると思います。今後、公園でのイベントとかテラスがあるレストランのプロデュースなど、おもしろいことが企画できそうな気がします」

服部「一般の方も多く訪れるイベントなので、この『水都大阪2009』を通してgrafのことを知ってもらえたら、と思いますね。それに野菜にしても植物にしても『植える』ということ自体grafとしては初めてなので、これを機会に、今後、農業にも入っていけたらいいな、と。今回、つかの間レストランで使った材木は、水都大阪の終了後、兵庫の猪名川町の山奥に運んで、畑の納屋にする計画もあるんです」

岡田「『水都大阪2009』の中で、このつかの間レストランの存在は、異色だと思います。全体で行われているような内容を、ここで凝縮してやっているみたいなところはあるので、浮かないかが心配(笑)。でも『水都大阪2009』に参加して、また新しい出会いもあったし、全体でどのような繋がりができるのかに期待したいですね」

つかの間レストランに携わったgrafのスタッフ。左から服部さん、置田さん、井上さん、堀田さん、前列右端が全体統括の岡田さん。

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