
vol034
11.12.28
白山陶器は、やきものの産地、長崎県の波佐見にある陶磁器メーカーです。1956(昭和31)年、デザイナー森 正洋を迎え、デザインのチカラによって、ものづくりが大きく変わりました。テーマは「毎日の暮らしになじむもの」。以来、そのスタンスは変わることなく、受け継がれています。数々のロングセラーを生み出し、グッドデザイン賞に幾度となく輝く、白山陶器の器の魅力、デザインに秘められた想いをうかがいました。

食卓にあって美しく、それでいて出しゃばらず、毎日の暮らしにスマートに寄り添う。白山陶器の器は、オリジナリティがありながらシンプルで、どんな暮らしにもしっくりとなじみます。
「今の生活スタイルに必要なもの、今皆さんがほしいものは何かを考え、アイデアをふくらませ、ぴたりと沿うカタチを見出し、使う人の毎日を楽しくしたいというのが、白山陶器の器づくりの原点です。量産化することで価格を抑え、いつでも気軽に手に入れることができれば、より多くの方々に楽しい暮らしを届けることができます。それがデザイナーとしての喜びであり、作家ものと大きく違うところでもありますね。作家ものはひとつひとつの違いがおもしろさになりますが、量産する場合は、できる限り均一に最良の状態で仕上がることが大切。アイデアをカタチにするだけではなく、焼成のちぢみなどで一点一点に差が出ないよう、量産できる形状に収めることもデザイナーの務めなんです」
目指すは、良質なものの量産。使いやすく、主張し過ぎず、あくまで控えめに。だからこそ、どんな料理ともマッチし、飽きることなく、長く使えるのです。そして、もし割れたとしても、替えがきき、家族が増えれば、すぐ買い足せる。そんな安心感も白山陶器の魅力です。
「子どものときに使っていたお茶碗やコップって、いつまでも覚えていませんか? 大人になって同じものと再会できたら、ちょっと嬉しいですよね。陶磁器は割れものですから、替えがきくように、同じものを作りつづけることもメーカーとしての務めだと思うんです。デザイナーがクオリティーの高いものを作れば、結果、長く作りつづけることにもつながっていきますから、細かなディテールまでひとつひとつとことんこだわって商品化しています」
子どもの頃から通う、大好きな洋食屋さんのように、ずっとそこにありつづける。白山陶器が届けてくれるのは、そんな、ささやかでいて、かけがえのない、日々の小さなしあわせです。

東京・南青山にある[白山陶器東京ショールーム]勤務を経て、11年8月に[淀屋橋odona]2階にオープンした大阪店へ。作り手と使い手のつなぎ手として、デザイナーの想い、こだわりを伝え、お客さまからの声をデザイナーにフィードバック。商品選びの際にはぜひ相談を。親身になってアドバイスをしてくれます。