
vol034
11.12.14
神戸生まれのセレクトショップ[ビショップ]で出合えるのは、人生を豊かにするスタンダード。メンズ、レディースウエア、靴、バッグ、器、ガーデニング用品...と、ジャンルを越えて集められたアイテムはすべて、「シンプルかつ機能的で、使うほど良さがにじみ出る、時代を越えて愛せるもの」。セレクトの基準は93年の設立以来、変わることなく、いいものとの出会いと共に自ずとアイテムが広がってきたそう。久美浜で営むカフェやホテルも人気を集め、今夏は神戸本店にカンティーン(食堂)がオープン。ビショップが伝えたい想い、選ばれたモノひとつひとつに秘められたストーリーを、服飾バイヤーの森 威さんにうかがいました。

森 威さんはビショップの服飾セレクトを一手に担い、「これ!」と思うアイテムと出合うため、国内外を駆け巡るバイヤーです。「そう言うとカッコイイですけど、時間が惜しいので、たとえばヨーロッパではパリを拠点に各方面へ日帰りで行くんです。早朝にロンドンへ向かい深夜に戻って、翌日の早朝からアイルランドへ移動して...いつも弾丸ツアーです(笑)。」 そうやって時間を作っては、作り手と直に会って話し、モノが生まれてくる場所を見て、実際に自分で使い込んで、本当にいいと思ったものだけを選んでいます。
「不変的で、伝統を感じられるもの。次の世代へつなげていきたいものが、僕らの考える「スタンダード」です。本当にいいものって使っていくうち愛着が湧くんですよね。イギリスとフランスの間に位置するガンジー諸島で生まれた「ル・トリコ チュール」のニットは、寒い土地で育った羊の毛なので、暖かいけどウールがきしむように固くて、最初は正直、着心地がイマイチなんです。それがだんだん体になじんで味が出てくる。ほかのものでは代えられない良さがあるんですよね。これこそが伝統的なものの力。一生付き合いたい「スタンダード」を届けることが、ビショップのコンセプトなんです」
トラッドなニット、ボーダーのカットソーのような、ストレートにベーシックなアイテムに加え、店内には、「コム デ ギャルソン」、その横に新進気鋭の若手デザイナーものが並ぶ、というビショップならではのおもしろさ。一見、対極的なセレクトにも思えるけれど、いずれのアイテムもビショップの考える「スタンダード」が根ざしています。
「古いものだけではなく、これから生き残っていく、次のスタンダードも僕らは探しています。取り扱っている若手デザイナーは、その土地で育まれたものの良さをよくわかったうえで、伝統的な柄や編み方、仕立てなどを自分たちなりに取り込み、服づくりしている人たち。「コム デ ギャルソン」を扱っているのも、もともとスタンダードがベースにあって、シーズンによってどう落とし込むか考えられていると思うから。そうして絞り込んだブランドから、ニット+ジーンズのようにシンプルに着こなせ、それでいて、デザインのあるスタイリングにも合うものをセレクトしています。それぞれの年代で、自分らしく、自由に楽しんでもらえたら」
使い続けていると、ふとした瞬間に喜びが訪れる。人生を豊かにしてくれる、そんないいものが、ビショップで待っています。
イギリスのガーンジー諸島で生まれ、漁師さんが愛用してきたこのニットは、セーターの原型といわれる伝統的なもの。今のように筒状に編むのではなく、平編みしてサイドでつなぎ合わせています。「遭難したときにわかるように家紋を入れて、この上から重ね着して防寒していたそうです。大人が着るとすごく格好いいんです」。6色展開 各17,640円。
six eight seven six.は、「イギリスの伝統をふまえデザインしている注目のブランドです」。1年に2回のコレクション発表という形はとらず、素材、縫製とともにUK生産にこだわった服づくりをしています。61,950円。
神戸に始まって、現在は全国に店舗を展開。ビショップで見つけた 暮らしをあたたかくするものたち。 >>
ビショップの販売員を経て、04年よりバイヤーに就任。現在、メンズ、レディースウエア共に、服飾のバイイングを一括担当。必ず実際に使い、世界各地それぞれの伝統、デザイナーの想いを汲み取ったうえで、本当にいいと思うものだけをセレクト。