
vol.002
09.04.15
なぜこんなに人の気持ちを惹きつけるのか。どうして見ているだけでニンマリしてしまうのか。そして癒されるのか...。その仕草や動きを思わず目で追ってしまうかわいいペットの魅力を探るために、今回は、2009年3月、ついに新車両「たま電車」まで作ってしまった、わかやま電鉄・貴志駅のスーパー駅長・たまに会ってきました。
JR大阪駅から紀州路快速で約1時間30分。駅構内で別ホームに乗り換えて、わかやま電鉄の和歌山駅から貴志駅まで貴志川線で約30分。でもそれだけの価値はあるんです。キュートなローカル電車の心地よい揺れに身を委ねながら、貴志駅のスーパー駅長・たま(別名:たま卿)に会うためなら。
ここで、スーパー駅長・たまの経歴をおさらい。
そもそも、貴志駅に隣接する売店[小山商店]の飼い猫だった"たま"。往来するお客さんと遊んでいるうち、いつの間にやら貴志駅の看板娘に。ところが、2005年9月末に当時、貴志川線を所有していた南海電鉄が路線の廃止を表明。敷地内のおうちにも立ち退き命令が...。そして2006年4月1日、和歌山電鐵に業務が引き継がれたその日、小山さんが、電鉄の小嶋社長に「"たま"たちを駅舎内に住まわせてほしい」と直訴。社長は「おこまりのようなら何とかして差し上げないと」と、駅の利用者にも"たま"が駅舎内にいることを納得してもらえるよう、和歌山電鐵の社員にすることに! その面談で初めて"たま"と対面した時、ひと目で立派な猫ちゃんだとわかり、目があった瞬間「"たま"の駅長姿が目に浮かんだ」という。それは、"たま"が「駅長をしますから助けてください!」と訴えたからだと思う(社長談)というエピソードも。
その後、2007年1月5日、わかやま電鉄からこの無人駅で唯一にして一番えらい駅員さん(=駅長)に任命。業務内容は"客招き"で、お給料はキャットフード1年分! 民間鉄道として日本初の「ねこの駅長」として注目を集めることに。その後、就任1年を経た2008年1月5日に、貴志川線の知名度と乗客数・売上を向上(駅長就任後の1年間で、和歌山県への観光客誘致による経済波及効果が11億円に達したという話も!)させた功績もあって、スーパー駅長に昇進。さらに、同年5月にはフランスのドキュメンタリー映画『人間の鏡としての猫』に出演したり、10月28日には和歌山県知事から「和歌山県勲功爵(わかやま で ナイト)」の称号を贈られたり...と、まさにスーパーなアイドルぶりを遺憾なく発揮しているわけです。
そんなスーパー駅長・たまが、車両のそこかしこにデザイン&ペインティングされた新車両「たま電車」が、2009年3月21日に誕生。従来から大人気の「いちご電車」や「おもちゃ電車」に加わり、観光客や地元サポーターの熱い視線を釘付けにしているんです。あまりの忙しさに、さぞかしストレスを感じていらっしゃるのかな、と思っていたのですが...。
やはりそこは、スーパー駅長。新しくなった駅長室で気持ちよさそうにトロンとした表情を浮かべながらのマイペースな仕事ぶり。あいもかわらずの大物ぶりで安心しました! もちろん、観光客が集中する週末や祝日の面会は叶わないのですが、平日の朝早い時間帯は、運がよければその愛らしい姿を拝見できるかも。ただ、そもそもが1日15時間近い睡眠をとる「にゃんこ」だけに、無理に起こそうとしたり、心ない言葉を投げかけたりすることは御法度。きちんとしたマナーを守ることが、何よりスーパー駅長・たまをサポートすることに繋がるんです。ちなみに、たま駅長は日曜日がお休みなので、お忘れなきよう。なお、貴志駅には駐車場がないので電車のご利用を。
和歌山電鐵株式会社
和歌山県和歌山市伊太祈曽73
TEL073-478-0110
http://www.wakayama-dentetsu.co.jp/
スーパー駅長・たまをデザインした「たま電車」のほか、車内がいちごモチーフで埋め尽くされた「いちご電車」、おもちゃの展示コーナーやガチャガチャまで完備の「おもちゃ電車」(現在、定期検査のため運休。6月5日より運行)も運行! ただし、通常車両も運行しているので事前に発車時刻のチェックを。
[アクセス]
JR大阪駅~和歌山駅(紀州路快速で約1時間半、片道1,210 円)→徒歩すぐ(駅構内の別ホームへ)→わかやま電鉄和歌山駅~貴志駅(貴志川線で約30分、片道360円)