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PICK UP ~編集部のおすすめ~

メケメケ☆エレガンス

12.10.10

パラドックス13

こんにちは、メケメケです!
風が涼しくなってきましたね。
ようやくというか、やっとというか、とにかく秋がきたようです。
さて、今回は、いつか取り上げたいと思っていた 東野圭吾作品『パラドックス13』について書きたいと思います。

  • パラドックス13
  • この作品、今年発表された、読者が選ぶ東野圭吾作品人気ランキングで、19位にランクされたものの、以前このコーナーで取り上げた『時生(トキオ)』の9位、『白夜行』の2位と比べると知名度は低く、映画化やドラマ化は現在のところされていません。 とはいえ、たくさんの著作の中での19位ということで、ファンは多いと思います。

    この作品は、『サンデー毎日』で2007年5月から一年間連載され、2009年4月に単行本として出版されました。
    私は単行本発売日に一度読んでいましたが、去年、何の気なしにもう一度読んでみました。
    そして驚きました。
    『パラドックス13』では、3月13日13時13分13秒から13秒間、超常現象が生じるのですが、私は、昨年3月11日14時46分に起こった、あの東日本大震災を連想せずにはいられませんでした。
    勿論、『パラドックス13』はフィクションであり、震災の3年も前に書かれており、震災とは何の関連もないことは明らかです。

    『パラドックス13』では、赤ん坊を含め13人の人間が、超常現象によって生じた、時空のゆがみに取り残されてしまい、次々に起こる災害の中で どう"生きていく"かが書かれています。
    人間が、非日常にぶち当たった時、どのように"生きていく"のか。

たとえば、天災、事件、事故など。。。
そんな時、平常心をもち、一生懸命、前をむいて今を生きることがいかに難しいか。
つい先日、私は難波のショッピングモールに出かけていましたが、つい1分前まで晴天だったのにもかかわらず、急な雷雨に襲われました。

怒号のような雷の音。傘を差しても横殴りの雨で、ずぶ濡れ状態。
あわてて近くのスカーフ店に入ったものの、雷が近くに落ちたのか、停電する始末(一時的でしたが)。
急な雨量のせいか、停電のせいか、エスカレーターも止まっていました。
初めて入った店にもかかわらず、店員さんも怖かったのでしょう、私に話しかけてきました。遠くからは子供の泣き声が聞こえてきます。
寒くて怖くて、無事に家に帰られるのだろうかと心細かったです。
無事家について温かいお風呂に入った時、とても安心したのを覚えています。
急な雷雨でもこれだけ平常心を保つのが難しいのです。
急な雷で死者も出たことは後で知りました。

『パラドックス13』では、どんな状態でも一生懸命いまを生きることの大切さと、自然の力の大きさが書かれています。
本の中で、色んな人間が出てきます。
最後まで、生きる希望を捨てずにいるリーダー格の誠哉。
兄の誠哉の、いつも足を引っ張っていた弟の冬樹。
希望を失い、死のうとする看護師の菜々美。
時空のゆがみの中で、次々起こる災害に疲れ、安易な道を選ぼうとする小峰、戸田、河瀬。
言うのは簡単だけれど、どんな状態でも一生懸命いまを生きるということは、難しい。
そして、こんなに文明の発達した現代でも、依然、自然の力に逆らうことはできません。
東日本大震災でも、同じことを感じました。
傷を負った方、家族を失った方、家を失った方、生活を失った方、思い出を失った方、たくさんおられます。
その悲しみや絶望は察するには余りあります。
でも、そんな状態でも、一生懸命いまを生きてほしい。それがこの本からのメッセージのように思えました。

「こんな中で、どうやって生きていくっていうんですか」と言われて、誠哉は言っています、「大事なことは、生き続けるということです。そうすれば、いつかきっと活路が開けるはずです」。
また誠哉は、「天は自ら助くる者を助く、だ。生き抜こうとしない者には奇跡なんか起きない」、「幸運を得たいのならば、まず自分の出来る最大限の努力をしろということだ。そのうえで俺は結果を受け入れる。行き着く先には死しかないということなら、その時初めて俺は観念する。しかしそれまでは諦めない。」、と言っています。

追記:著者東野圭吾氏は、震災直後に、当時の最新刊『麒麟の翼』の増刷分の印税全額を、東日本大震災被災地への救援金として寄付されています。『麒麟の翼』は、前述の人気ランキングでは13位、また映画化もされた人気作品です。

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  • リビングライフラボ
about
ペンネーム: メケメケ
職業: しゅふりーライター
主婦もフリーライターも、ビカビカの新一年生。いま自分の中でホットな、クッキング、ムービー。そして、思い入れの深い東野圭吾作品について、独自の視点から紹介していければと思います。よろしくお願いいたします。
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