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PICK UP ~編集部のおすすめ~

メケメケ☆エレガンス

12.08.15

東野圭吾『白夜行』

こんにちは!メケメケです。
今回は、東野圭吾作品の『白夜行』を取り上げたいと思います。

白夜行
http://www.amazon.co.jp/dp/4087474399/datedateweb-22/

この『白夜行』ですが、ファンの大変多い作品で、1999年に発表されましたが、2006年にテレビドラマ化(山田孝之、綾瀬はるか 主演)、2011年に映画化(堀北真希、高良健吾 主演)されています。
Yahoo知恵袋でも、この13年間に3000件を超える質問があり、この作品の人気の高さや、謎の多さを物語っているといえます。
前回『トキオ』で、東野圭吾作品は、読者に残す謎が少なく理論的だ、と書きましたが、この作品では、他の東野圭吾作品と異なり、主人公二人の心情があえて語られず、われわれは、客観的描写や他の人物の心情から、主人公二人の心情を推測することになりますが、それが面白く、怖いところでもあります。
作者があえて判断を読者にゆだねている作品です。

私が『白夜行』をはじめて読んだのは、東野圭吾ファンになりはじめた13年前になりますが、「めっちゃ怖い。周りにこういう人物がいるといやだ」と思いました。
それから、初版からわずか2か月で第6刷まで発刊されており、「どれだけ人気あるねん」と思いました。

近鉄布施駅

冒頭、「近鉄布施駅を出て、線路脇を西に向かって歩きだした。」から始まります。
知っている駅だったので、親近感がわき、どんどん頁をめくりましたが、中には「寺田町」、「本町 船場」、「心斎橋」、「美章園」、「昭和町」といった、身近な場所が次々に出てくるので、自分の周りで起きていることのように感じました。
勿論、作者の地元である「今里」も出てきます。

内容についてざっと書きたいと思います(まだ読んでない方は、ネタバレしますので、次の段落まで飛ばしてください)。
1973年に大阪の布施で起きた質屋殺害事件は、決定打がないまま迷宮入りとなったが、被害者の息子亮司と、容疑者の娘雪穂の周りで次々と不可解な犯罪が起こっていく。真相解明に迫った探偵の今枝はなぜか行方不明となる。ついに笹垣元刑事は真相をつかむが、それは、亮司と雪穂が全ての事件の共犯者であるということであった。なお、亮司と雪穂とは、発端となった質屋殺害事件の被害者・容疑者の家族という関係しか関わりはないと一般にはみられている。

はじめて読んだとき、『白夜行』という題名について、あまり考えていなかったのですが、白夜というのは、高緯度地方で夏、太陽が地平線近くに沈んでいるために 薄明りが長時間続く現象をいい、『白夜行』には、夜なのに光がある、つまり闇を歩いていかなければならない亮司と雪穂にとって、お互いは白夜の光のような存在であった、ことを意味がこめられています。
第八章で 亮司は抱負を聞かれ、「昼間に歩きたい」、「俺の人生は、白夜の中を歩いているようなものやからな」と言っていますし、第十三章で 雪穂は「あたしはね」「太陽の下を生きたことなんかないの」、「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。あたしはその光によって、夜を昼と思って生きてくることができたの。」と言っています。
まさに白夜行ですね。
太陽に代わる光があるというのは一見羨ましく思えそうですが、所詮は白夜でしかなく、二人が生きているのは夜なのです。
そして、やはり、ハッピーエンドでは終わりません。

今回は、発端となった質屋殺害事件で、非番だった笹垣刑事がかけつけた時に歩いた道を実際に歩いてみました。
まず近鉄布施駅ですが、下町の駅にしては結構大きな駅で、北口、南口があり広いバス停もあります。
笹垣刑事は、駅を出て線路脇を西へ歩きます。
すると本同様、右側に公園がみえてきます。本では真澄公園という名前でしたが、足代公園という名前でした。
本には 「三角ベースの野球なら、同時に二つの試合ができそうな広さだ。ジャングルジム、ブランコ、滑り台といった定番の遊戯設備もある。」とありますが、本当にそうでした。ただ、ジャングルジムが、想像していたのとはちょっと違って定番ではない感じでした。
公園の向こうにある七階建てのがらんどうのビルが、事件の現場でしたが、実際は七階建てのマンションしかありませんでした。
笹垣刑事同様、公園の手前の道を右へ行ってみましたが、いか焼き店は残念ながらありませんでしたね。

さて、被害者桐原が現場に行く途中に寄った、近鉄布施駅南口近くの三協銀行、ですが、南口に三菱東京UFJ銀行がありました。
その後、雪穂の実家に持っていくため、『ハーモニー』でプリンアラモードを4つ買います。『ハーモニー』はチェーン店でバス通りにも支店があった、と本にありますが、実際には『モア』という喫茶店が商店街とバス停近くのイオンに二店ありました。ただ、テイクアウトのプリンアラモードはありませんでした、残念(あれば買いたかった)。

  • 三菱東京UFJ銀行 布施支店
  • 喫茶モア

片江(現大江?)

亮司と雪穂が通っていた図書館がどこだったのかと探すと、一駅東の河内永和駅に東大阪市立図書館がありました。
雪穂の実母が働いていた、今里のうどん屋『菊や』ですが、今里に『喜久家』といううどん屋さんがありました。
雪穂は実母の死後、養ってもらう良家の親戚の家が、四天王寺駅の真光院町にあったようですが、これは高級住宅街と言われる天王寺区真法院町を意図してのことでしょう。
それから、友彦が喫茶ラウンジに行った、心斎橋の新日空ホテルは、全日空ホテルを意図してのことでしょう。
亮司の実家『質きりはら』の住所は大江三丁目とありますが、前回『トキオ』で書いたように、昔あった、片江を意図したのかもしれません。
ちなみに、笹垣刑事のいた西布施警察署は存在しません(布施警察はあります)。
本では、他にも、巽に住んでいた質屋の女性客、東成区深江橋の田川不動産、三協銀行玉造出張所、質屋の松浦の家のある寺田町、亮司の母が営んだ上本町の喫茶店、日本橋のゲーム店MUGEN(亮司の店)、西長堀のマンション、友彦の家のある美章園、奈美江の勤める大都銀行昭和支店(昭和町支店のことかな)、本町船場に勤める元岡邦子、とたくさん大阪の場所がでてきて、ワクワクしました。
わかりやすく図にしたので、これを見ながら、再度『白夜行』を読めば、もっとおもしろくなると思います。
亮司と薬剤師典子が、大阪に出てきて、なんばから近鉄奈良線で布施駅におりる道筋を、彼らと一緒にたどってみて下さい。
実際に布施駅を歩いてみれば、もっともっと身近に思えること間違いなしです。

最後になりますが、続作とも言われている作品『幻夜』ですが、さらに続作もあるかもしれないとの噂があります。
『白夜行』の続作の続作も、九月に発刊予定の新作も、両方今からとっても楽しみです。

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  • リビングライフラボ
about
ペンネーム: メケメケ
職業: しゅふりーライター
主婦もフリーライターも、ビカビカの新一年生。いま自分の中でホットな、クッキング、ムービー。そして、思い入れの深い東野圭吾作品について、独自の視点から紹介していければと思います。よろしくお願いいたします。
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