
10.08.18
キンドル、iPad...最近は電子ブックも増えてきましたが、ゲームの業界では文字を読んで楽しむ「ノベル」というジャンルが昔からあります。ゲームの場合、効果音や音楽が付くことで臨場感が得られ、かつ自分が選んだ選択肢で結末が変化していくので、いわゆる読書とはひと味違った魅力が満載。おまけに操作が難しくないので、ゲーム初心者にもぴったりのジャンルなんですよ。そこで今回は場所を選ばない携帯ゲーム機で楽しめて、「先が気になって仕方ない...」と評判の、ミステリー好きが選んだミステリーを3本ピックアップ。選者の好きなミステリー作家、怖さの耐久星取表もつけたので、あなたにぴったりのミステリーを選んでみて。
「ちょっとした空き時間にやろうというのがそもそもの間違い。じっくり腰を据えて取り組まないと同時進行で進む話に頭がついていけない! でもBADENDもおもしろいし、渋谷のリアルな映像もウィットに富んだ会話も楽しい。サウンドノベルの概念が変わったかも...。個人的には軽くてチャラいけど実は熱くていい奴な亜智が好み!」と充血した目で勧めるのはサウンドノベルの老舗中の老舗が生みだした傑作。渋谷(428はつまり「しぶや」ってこと!)で起こった誘拐事件は、新人刑事、渋谷最大のチームを率いた男(これが前出の亜智)など一見無関係と思われる5人の人間が複雑に絡みあっていた...。実はその5人が全員主人公というのがこのゲームの一番の特徴。5人の視点から話を追うのだが、そこへ何気ない選択肢が加わり、それが自分だけでなくほかの主人公を窮地に陥れたりするのだ。ただこのゲーム間違った選択をし、ゲームが終了してしまう本来なら失敗を意味するBADENDまでが凝ってよくできているのも魅力の1つ(挙げ句ヒントを含んでいたりもするから見ずにはいられない!?)。そのためBADEND探しという楽しみ方をする人もいるほどなんです。またこのゲーム、キャストには「この人知ってる!」...な人も登場する実写版(誰が出てくるかは、やってからのお楽しみ!)。実際に渋谷で撮影したんだとか。昔からのサウンドノベルファンなら、あの【青い人】の表情のわからなさが不気味だったけど、ハラハラ感は変わらぬまま。製作者が「もうこれ以上は作れないかも...」とまで言ったというサウンドノベルの傑作、読書好きでミステリー好きなら一度はぜひ体験してみて。※ゲーム画像はPS3版



428 ~封鎖された渋谷で~[スパイク]
PSP/ジャンル:サウンドノベル/CERO:C 15才以上対象
プレイ人数:1人/希望小売価格:5,040円(税込)
http://www.chunsoft.co.jp/games/428/ps/
(C)2008/2009 CHUNSOFT
「サウンドノベル」はチュンソフトの登録商標です。
「会話中の一瞬の判断で結果が左右される交渉がほんとに斬新で面白いんです。流れる音楽もかっこいいし、鬼塚さんの飄々としたクールさがまた女子受けするキャラで、大人のためのゲーム!」と話すのはNY帰りの交渉人をメインに進む交渉アドベンチャー。コンビニの立て籠もり、ストーカー問題などいくつかの事件の中で共通する銃と暴力団の影...。そんなゲームのポイントはやっぱり交渉シーン。犯人と交渉がはじまったらタイミングを見ながら会話を進めるのだけど、正直ぼーっと見てたらすぐにエンド。つまり的確に相手の会話を把握し、かつ相手に合わせた会話(タイミング良く言葉を挟まないと、会話もどんどん変化していくという、悩む時間ほぼなしの一発勝負!)で交渉を進めていくというなかなか難しいもの(まぁ実際の交渉はそんなものだもんね)。ゆっくりじっくり考えたい人にはある意味不向きなものの、スピーディな会話や展開が魅力的なのも事実。クールな主人公とシュールな会話、劇画イラストに、警察内部の軋轢(それもよくいるメンツにばっかこだわる鬱陶しい上司との衝突が多発)、バンドネオンが彩る音楽も含めとにかく大人向け。事件を解決していく折には、プロファイラー(犯罪者のパターンを推論する行動分析の専門家)の力を借りたりと海外ドラマのノリもあって、気づけば数時間経過...はザラ。ハードボイルドで、ちょっと切ないミステリーが大好きな人にこそやって欲しい名作ですよ。



銃声とダイヤモンド[ソニー・コンピュータエンタテインメント]
PSP/ジャンル:交渉アドベンチャーノベル/CERO:B 12才以上対象「スプラッタもサイコホラーも大好き! だけどたまにはこんな穏やかなミステリーもいいですね。古き良きアメリカの雰囲気もいいし、カフェでの食事がほんとにおいしそうでリアルでお腹が空きそうなんです...。あ、カイルの不器用なところもかわいいしね♥」と微笑んだのは前作よりさらに操作性もアップしたと話題のシリーズ2作目。1980年代・ロサンゼルスにある取り壊しが決まった古いアパートに住む元刑事・カイルに、謎の人物から捜索の依頼が舞い込む。依頼は彼が住むアパートの過去に関係することのようだが...。落ち着いたジャズ音楽に素描のモノクロイラストのゆったりとした雰囲気の中で、過去の謎に迫っていくミステリーだ。注目はアパートの住人に聞き込みをしたり、DSならではのタッチペンを使用して主人公を動かすことで現場を探索するということ。これでゲームを進めていくとその経緯が『ラストウィンドウ』という小説としてできあがっていくのだ。スチルやサムネイルで過去を振り返るものは数あれど、小説として自分が歩んだ内容が風景描写と共にカイル自身の心情も含めて細かに描かれるので、また新たな感動があるんです。ゲーム自体はアパート住人の日常のささいなやり取りの積み重ねゆえ、「ミステリーって怖そう...」という人も安心。他人との関わりを持たず一匹狼の雰囲気もあるカイルの不器用な優しさが物語が進むにつれ現れて、気持ちも穏やかになりついほんわか。ジャズに古き良きアメリカなど、その世界観が好きな人にオススメしたい上質のミステリーです。



ラストウィンドウ 真夜中の約束[任天堂]
ニンテンドーDS/ジャンル:アドベンチャー/CERO:B 12才以上対象(C)2010 Nintendo Developed by CING