
10.07.14
お酒好きの私はマンガを読みながら晩酌...なんてのもしばしば。マンガを読みながらお酒だなんて、大人っていいなぁ~と大人気ないことを楽しんでいます(よい子はマネしないでね!)。マンガを読みながら呑むと、そのマンガの登場人物とお酒を呑んだ気になれて、これがなかなか楽しい。さながら友達と家呑みをするような感覚。家でゆっくり呑むんだから、気のしれた登場人物と呑みたいですよね。今回は家で一緒に呑みたくなるマンガの主人公をご紹介します。みんなステキなユーモアの持ち主ですよ。
『おいピータン!!1』伊藤理佐(講談社ワイドKCキス)600円
デブで大食い、美味しいもの好き、お世辞にもカッコよくない、けどなぜかイイ男・大森さん。グルメだけれどウンチクを語ることなく、ラーメンやおでんなどのB級グルメの美味しいお店を熟知。そこで呑むビールの種類もちゃんとこだわる。そして、やさしいけれど言うことはキチンと言う男なのです。例えば部下(女)と取引先に謝りに行った大森さんは、ひたすら部下にセクハラをする取引先の男に謝り続ける。心中納得のいかない部下だが、どうにか話もついた。すると大森さんはそのセクハラ男に近所の美味しいラーメン屋を尋ねる。帰りにそのラーメン屋に行くと、すごい行列。待たされるわ、美味しくないわ、悔しいわで泣きそうになる部下。食べ終えて店を出ると大森さんは「あいつの仕事切っていいわ」とキッパリ。大森さん曰く、こういう時は相手に近所の美味しいラーメン屋を聞いて、美味しかったらイヤな奴でもガマンする! 美味しくなかったら気が合わないってことでガマンしない! のだそう。
「何? オレがあのまま笑って許すさわやかな奴だと思った? んなワケね~~~だろ、見かけどおりねちねちドロドロだってんだ!」。デブな上司がカッコよく見えた瞬間なのでした。そんな感じで、大森さんは部下にも人気が高いのです。人は見た目じゃないんです、ハート! 心意気! 美味しいゴハン&お酒! 大森さんと呑んだら満足しないわけないでしょう。
『誰も寝てはならぬ 1』サライネス(講談社モーニングワイドコミックス)560円
東京・赤坂の住宅街の古屋敷にあるデザイン会社[オフィス寺]に勤めるイラストレーターのハルキちゃんと社長のゴローちゃん。大阪出身の2人は中学から大学までの同級生。ハルキちゃんは年上にモテるが自覚ナシ。今はバツイチで、愛猫の利休之助と2人暮らし。離婚の原因は愛猫を愛しすぎて(?)奥さんを女に寝取られたから。ゴローちゃんは昔からとにかくよくモテる。好みのタイプは若い、色白、背と髪が長く、可憐な女性。女性をしびれさせる光線"毒"を発射し好みの女性をゲット、恋愛を登山に例え「アカンと思ったら即引き返す勇気が必要」というだけあって、恋愛短期集中型ゆえにバツ3。そんなオフィス寺のメンバーの日常を描いたこの作品は、舞台は東京ですが大阪色が濃い~んです。会話は上品ではんなりとした大阪弁。大阪弁のいいところは、おしゃべりというコミュニケーション手段を有効に使うこと。適度ないい加減さ。なれなれしいようで内心そうでもない、なんていうのも大阪らしさ。ハルキちゃん、ゴローちゃん以外も曲者ぞろいのオフィス寺のメンバーと、あれやこれやしゃべりながらまったりとお酒を呑めたらさぞ楽しいだろうなぁ、と思う作品です。
『ザリガニ課長 1』そにしけんじ(講談社アフタヌーンKC)580円
せっかくのマンガなんですから、人間以外とも呑んでみたくありませんか? ピッタリの方、早速ご紹介します。旭山商事商品開発部課長・ザリガニ・・・えぇ、ザリガニです。
しかしザリガニとあなどるなかれ。人間ばかり働く会社唯一のザリガニですが、仕事をバリバリこなし、職場の仲間からも得意先からも愛されるスーパーサラリーマン。企画書もパソコンで仕上げますし、出張もこなす、仕事帰りは部下とバーで一杯、そんなザリガニ課長。なんといっても自分がザリガニであることを活かしてのユーモアがバツグン。企画書の中に隠れてみたり、回転寿司で一緒にまわったり、居酒屋で刺し身の中に隠れてみんなを驚かせたり、人気者なのも納得のザリガニ課長です。ザリガニ課長と呑んだらいつもと違う楽しさで、やみつきになるかもしれませんよ。でも脱皮の後はちょっとだけ、そっとしておいてあげてくださいね。

八木泉(ジュンク堂書店千日前店)/漫画一筋、書店店員。
漫画一筋、書店店員。酒と漫画と男と女、それさえあれば生きていけます。
いい人と呑むお酒は格別においしい! ので「マンガ読みながら呑み」はやめられません。
[ジュンク堂書店千日前店]は相変わらずおもろいフェアと品揃えで皆さまをお待ちしております。