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PICK UP ~編集部のおすすめ~

くらしのしお

13.02.20

「フィンランドのくらしとデザイン」2 ~日常生活をおくる中で大切にしたいこと~

前回から引き続き、3月10日まで兵庫県立美術館で開催されている
「フィンランドのくらしとデザイン~ムーミンが住む森の生活」展のレポートをお伝えします。

【気候が与える国民性】

フィンランドと聞くと、その地理上の位置や気候に関して、
たやすく頭の中で思い描くことができるでしょう。
(中略)
一方で北国の人々は、まず暗闇や寒さと闘わなければならず、
他のことに費やす時間はほとんどありませんでした。
こうしたことから同時代の作家たちによれば、北国に生きる芸術家は、
この「厳しい風土」で芸術の実を結ぶために、並外れた厳格さで
自己を鍛錬しなければならなかったのです。

上記は、今回の展覧会の公式ガイドブックから引用しました。

まさに今回の展覧会は、フィンランド・デザインだけではなく、それを包括し、
その精神性を深く理解できるような企画でした。

例を挙げると、下の写真は今回の公式ガイドブック。

はじめ見たときは、ガイドブックには見えなかった。。。
フィンランドの国旗の深いブルーを使ったブックカバーがついています。
まるでインテリア雑貨です。

ガイドブックの表紙は、フィンランドの画家ガレン=カレラの作品。

彼は、自然の中の生活の中にフィンランド民俗の本来の姿があると考え、
森の中にアトリエを構えました。
このフィンランド的な風景やデザインを世界的に発信するために、
湖畔沿いの自然の中にアトリエを置くフィンランドの芸術家が数多くおり、
彼らのアトリエの図面や模型も展示されていました。

【ムーミンの世界】
フィンランドで有名なモノの一つ「ムーミン」。
ムーミンも同じくフィンランドの国民性を表しています。

ロビーには、フィンランドの森の生活を再現された小屋が展示されています。

子ども部屋を想定した室内には、ムーミンのぬいぐるみが飾られています。
とってもキュート。見ると、その世界に引き込まれそう。
外からの観覧だけですが、写真はOKです!

【基本的な考えから、将来の方向性まで】
展示室は、大きく3部構成になっていました。(下記の文章は公式サイトから引用)

1)フィンランド・デザインの黎明(れいめい)
19世紀末から20世紀前半にかけてのナショナル・ロマンティシズムの動向を、国民的画家アクセリ・ガレン=カレラや建築家エリエル・サーリネンらの作品を通して紹介、フィンランドのモダン・デザインにつながっていく作家たちの創造性やライフスタイルの紹介

2)フィンランド・デザインの黄金時代
アルヴァ・アアルトやカイ・フランク、マリメッコ等のデザイン・プロダクトを通して、20世紀半ばに黄金期を迎え、今日のフィンランド・デザインの礎を築いたフィンランドのモダン・デザインの紹介

3)フィンランド・デザインの<今>が示すこと
アアルト大学による太陽光発電エコ住宅《Luukku House》プロジェクトやHKL(ヘルシンキ交通局)とHSL(ヘルシンキ広域交通)が展開する公共交通でのコミュニケーション・デザイン、アルテックの2nd Cycleプロジェクトなど2000年代の活動の紹介

と、時代を追って紹介されているので、自然にフィンランド・デザインの根本的な要素から発展してきた過程や将来目指す方向性などが自然に理解できるようになっています。

展示の構成もとてもわかりやすいし、サインや展示方法についてもユニークで楽しいデザインでした。
展示の最後には、アアルトのソファやスツールの現物が展示され、実際に座ってその感触を楽しむことができます。

アアルトのアームチェアNo.402に座って、休憩しながらスケッチ。
緩やかなカーブの木製の肘掛けが、私の体重をやさしく包んでくれました。

奥の壁面には、マリメッコのテキスタイルがそのまま大きいバナーになって展示されています。
よく目にするピンクの花柄の「ウニッコ」からは、力強さと優しさを同時に受けました。

中央には、マリメッコの洋服が飾られています。
テキスタイルから洋服に変わると、生地の模様は同じでもまた違った印象を受けます。

左側壁面には、おもしろいプロジェクト作品がありました。
アルヴァ・アアルト+アルテック社が、1935年から製造している定番のスツールをよみがえらせるプロジェクトです。
その名も「2nd Cycleプロジェクト」
製造して世に送り出したスツールを修繕し、再びみんなに愛されるスツールに生まれ変わる。

今まで製造業として家具等を作ってきた会社が、社会環境システムという
ソフト<システム>までも生み出しているのは、とても素晴らしいことです。

これからの時代は、単にデザインする、ものをつくるだけではなく、
将来を見越した時間軸も考慮したデザイン、システムを生み出すことが要求されていることを痛感しました。

【少しずつ日常のこと、将来のこと】

「フィンランドのデザインが何故惹きつけられるのか?」
かわいい、かっこいいという見た目のことだけじゃない。

フィンランドの厳しい気候というのは、
より豊かに、さらに自然とともに人間たちも歩んで行くには、
どのような道具や家具、家、服・・・つまり身の回りのモノ全てを
深く考える必要がフィンランド人にはありました。

冒頭で引用した

この「厳しい風土」で芸術の実を結ぶために、並外れた厳格さで
自己を鍛錬しなければならなかったのです。

全てはこの一文にあったのではと思います。

これが日本人をはじめ、いろんな人々がハイクオリティのデザインに惹きつけられる理由です。

日本にいるとできないというのではありません。
日本にも、日本の風土からできた特有のデザインが数多くありますし、
それに日本から世界からの高い技術を加わり、さらにハイクオリティなデザインが生まれています。

そういったモノを選別し使っていき、自分たちの暮らしを高め、
さらに内面もそのデザインに併せた心を持って日常をおくりたい。
そうした小さな一歩が大切だと思います。

難しいこと?難しいかもしれませんが、小さな毎日の積み重ねからでしか、大きな変化や新しいデザインは生まれません。
今いる環境で、また今回の展覧会で感じたことをできる範囲から、身の回りを変えていけばいいのですから。

【番外編♪】
ということでグッズを買って、自分の家にも小さな変化を加えました(^^)/

人気パターンデザインのトレーと、今回の公式デザインになっているマークが入った風呂敷。

こんな風にお弁当を包んでみました♪

【展覧会に行く前にチェック!】
展覧会に行く前に少し予備知識を入れておくと、会場では
「お~!なるほど!」と理解と感動が増えると思います。
ぜひチェックしてみてください。

会期は、3月10日(日)まで。

フィンランドのくらしとデザイン

ムーミンが住む森の生活
日程:2013年1月10日(木)-3月10日(日)
会場:神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号
TEL 078-262-0901
URL:http://www.artm.pref.hyogo.jp/

入場料
一般:1300円(1100円) 大学生:900円(700円) 高校生・65歳以上:650円(550円) 中学生以下無料
()内は20名以上の団体料金
※障害のある方と介護の方(1名)は各当日料金の半額(65歳以上除く)
※割引を受けられる方は、証明できるものをご持参ください。
 ※コレクション展の観覧には別途観覧料金が必要(本展とあわせて観覧される場合は割引あり)

■兵庫県立美術館 公式サイト
http://www.artm.pref.hyogo.jp/
→アクセス情報のほか、お得な相互割引の案内も掲載されています。

■フィンランドのくらしとデザイン展 公式サイト
http://www.finland-design.com/
→「展覧会の紹介」ページでは、見どころがわかりやすく掲載されています。ぜひチェック!
→フィンランド関連のお店がリンクで紹介されていますので、あわせて行ってみたいですね。

くらしおデザイン室ホームページ

http://kazuyo3.jimdo.com/
家事、子育て、高齢者(ユニバーサルデザイン)に配慮した住宅設計(パッシブハウス)・デザインを中心に活動しています。
上記のサイトの「お問合わせ」から、タイトルを「住まいの相談」と明記し、お送り下さい。
お送りいただいた内容で多かった内容は、この連載でお答えします。
また、個人的な質問については、メール等でお答えいたします。

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山本和代: 住宅建築、グラフィックデザイン等を手がけながら1児の母として、家事、子育てと奮闘しています。
気さくで、おおらかな性格。小さなことから小さな幸せを見つけるのが好きで、毎日を楽しく過ごしています。

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