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STYLE MAGAZINE 特集バックナンバー ~家族生活の楽しみ~

15.02.02

冬は酒造りの季節、全国の酒どころでは仕込みの真っ最中です。 今月は、京都・伏見の造り酒屋で"日本酒"にロック・オン!

冬は酒造りの季節、全国の酒どころでは仕込みの真っ最中です。 今月は、京都・伏見の造り酒屋で  

【京の酒どころ】

京の酒どころ   

 京都市の南部、伏見は昔から酒どころで有名です。現在も20近くの酒蔵が営業されていますが、なぜ酒造りに適しているか?それは、良い酒を造るのに欠かせない良質の水が豊富にあるからなんです。神戸の灘も同じように水に恵まれた立地ですが、水そのものの質は違います。簡単に言うと、伏見の水はミネラル分の少ない中硬水で、灘の水はミネラル分の多い硬水です。当然、水質が違えば、出来る酒の味も変わります。
 俗に、伏見の酒は"おんな酒"、灘の酒は"おとこ酒"と呼ばれます。これは、水に含まれるミネラル分の量が影響していて、軟水や中硬水を使うと醗酵がゆっくり進みまろやかな味になり、硬水を使うと醗酵が活発ですっきりした味になるからです。もちろん、その他の条件が重なりますから、"産地によってこんなお酒ができます"的な単純な評価は当てはまらない事が多いです。

【350年の歴史】

350年の歴史

 そんな京都・伏見で2番目に古いとおっしゃる「富翁(とみおう)」でお馴染み「北川本家」さんの「乾蔵(いぬいぐら)」におじゃまさせていただきました。こちらは、創業が江戸時代・明暦三年(1657年)と言いますから、350年以上の歴史がある酒蔵です。今回は、お忙しい中時間を割いてくださった杜氏の"田島善史"さんから、興味深いお話しを沢山していただきました。
 田島さんは52歳と、杜氏としてはまだお若いのですが、この道30年のベテラン。そんな彼をもってしても、満足できるお酒はなかなかできないとの事。仕込んでから結果が出るまでに時間がかかるから、余計に難しいんやろね。

350年の歴史

 日本酒の製造工程を簡単に説明すると、「精米」→「洗米」→「浸漬」→「蒸し」→「麹造り」→「酒母造り(酛立て)」→「醪造り」→「搾り」→「ろ過」→「火入れ」となりますが、「ろ過」や「火入れ」を省略して仕上げる種類もあります。これらの作業の間には、もっと細かい説明が必要な工程もありますが、どの工程を取っても気が抜けない作業で、瓶に詰めて出荷するまで手を掛けないと良いお酒はできない、と断言しても良いです。
 以前は酒税の関係で等級が決められていて、「特級」は旨くて、「2級」は不味いという思い込みが多くの人にあったようです。この等級は、主にアルコール度数の違いで、税金の多寡を決めるためにあるだけで、決して「特級」だから旨いというわけではなかったんです。品質の良し悪しに対応していないなどの理由で、平成4年に廃止され、現在は全国統一の等級というのは存在していません。
 その代わりという事でもないのでしょうが、消費者の方にお酒の質を伝える表示として「特定名称酒」という制度ができました。原料や製法が一定の基準を満たしたものが表示できるもので、ご存知の「吟醸酒」というのもこれに当たります。正確には「本醸造酒」「特別本醸造酒」「純米酒」「特別純米酒」「吟醸酒」「純米吟醸酒」「大吟醸酒」「純米大吟醸酒」の8種類です。これ以外は、「特定名称酒」として表示はできません。

【醗酵の難しさ】

醗酵の難しさ

 田島さんが一番こだわっているのは、やっぱり"米"との事。"水"も大切なんやけど、ある種"天からの恵み"みたいなもんやからね。その"米"を精米して余計な成分を取り、水と米と米麹をタンクに入れて醗酵させ日本酒を造ります。ただ、醗酵というものはある種"生き物(菌)にお任せしてる作業"なんで難しい。僕もパンを作っていて、醗酵の難しさは十分わかってるつもりやったけど、日本酒の製造工程における難しさはパンの比ではないような気がします。
 麹を作るために米を蒸すんですが、米に水を浸透させる「浸漬」にしても「蒸し」にしても、秒単位で計測して調整するんです。次に、蒸した米に菌を付け、「室(むろ)」と呼ばれる部屋で醗酵させて「麹」を作るんですが、始まったら2~3日の間ずっと見守り続けないといけない。それも、1時間おきにチェックする必要があるんです。状態を見て判断し、温度や湿度をコントロールしていく。もう考えただけで、大変な作業やという事が分かりますよね。

【連立方程式】

連立方程式

 ワインは同じ醸造酒なのに、原料のブドウの出来次第でワインそのものの出来が異なる事を良しとしています。いわゆる"ヴィンテージ"というもので、何年のどこどこのワインは素晴らしい、なんて聞いた事あるでしょ?しかし、日本酒は原料の品質に左右されることなく常に同じ味(レベル)が求められます。でも、同じ原材料を使い、同じように作っても同じものは出来ない。こんな日本酒ですが、完成までの道のりはいくつものコースがあって、どの工程でどうしたからこうなったとか、違うものを使ったらこうなったとか、まるで"連立方程式"を解くように様々な要素が複雑に絡み合ってでき上がります。だから、難しいけれどやり甲斐があって、面白い仕事なんやろね。
 この世界でも後継者は不足しているようですが、北川本家さんでは10人のチームのうち2人は若手が入っています。しかも、どちらも女性なんですって。休みも少ないし、寝る間もないような仕事ですよって説明すると、男性は尻込みして辞退する人が多いとか。その点、女性は理解して入ってくる"バイタリティ溢れた"人が多いのかも知らんね。
 近年は日本酒も高質なものを求める人が増え、製造量全体では微減ながら高品質のお酒が占める比率が上がっています。各蔵もそれぞれが研究し努力して良いお酒を造ろうと頑張ってるから、ますます美味しい日本酒ができてくるのでは、と期待しています。

富翁 純米酒 プルミエアムール

 今回の取材で、ここ「北川本家」で面白いお酒を見つけました。その名も「富翁 純米酒 プルミエアムール」。飲めば驚き、まるでワインを感じさせます。是非一度お試しください。

【真の料理酒】

次真の料理酒

 北川本家さんでは、ひとりでも多くのお客さまに「清酒 富翁」と「つきたてのお米」のおいしさを知っていただこうと、直営小売店舗「おきな屋」を作られました。ここでは、製造現場の「乾蔵」からタンクごと運んでくる、「量り売り原酒」を試飲して購入する事ができるんです。こういうサービスは嬉しいね。僕も試飲させていただき、お酒を求めてきました。
 以前からずっと思ってたんですが、料理に使う日本酒、俗に言う"料理酒"はとにかく不味い。料理専用で、風味と旨味がたっぷりあって高くない、そんな "料理酒"をどこかの著名な蔵が出してくれたらなぁ、って。取材させていただいた後、「北川本家」さんにお願いしてきました。

株式会社北川本家

「株式会社北川本家」

〒612-8369 京都市伏見区村上町370番地の6

「酒と米 おきな屋」

〒612-8369 京都市伏見区村上町370-6
TEL:075-601-0783
営業時間:10:00~19:00
年中無休(年末年始・盆休有り)

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