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STYLE MAGAZINE 特集バックナンバー ~家族生活の楽しみ~

14.11.04

秋の味覚と言えば、栗や葡萄といった果物に茸や野菜など様々ですが、忘れてはいけないものが"新米"! 今月は、日本人の原点"お米"にフォーカス!

林裕人シェフの関西“食”だより vol.6 「秋の味覚と言えば、栗や葡萄といった果物に茸や野菜など様々ですが、忘れてはいけないものが新米! 今月は、日本人の原点お米にフォーカス!

 

【丹波篠山の食】

丹波篠山の食  丹波篠山の食と言えば、何を思い浮かべます?栗、松茸、黒豆、猪鍋・・・。いろいろありますが、意外に知られていないのが"米"です。昔は「東の魚沼、西の丹波篠山」と言われたほど、良質の米が穫れる土地柄なんです。東の「魚沼」は全国に知れ渡る高級ブランド米としての地位を獲得しましたが、西の「丹波篠山」は全国区のブランドとしては少々物足りません。
 そんな篠山で頑張っている教え子を訪ね、米作りや篠山の秋の味覚についていろいろ聞いてきました。彼は、篠山で料理店を経営する傍ら、生産者として米や野菜を育て、篠山の農業を発展させるべく様々な活動にも力を入れています。
 大阪から車で1時間強、彼の店「丹波篠山 囲炉裏料理・いわや」は、山裾の谷沿いにあります。大阪と比べると空気も清々しく素敵な環境ですが、正確なカーナビがないと少し不安になるロケーションです。

【最低限の責任】

丹波篠山の食

 彼の名は、「囲炉裏料理いわや」二代目主人・丹波与作(自称)と言います。丹波与作の原点にあるのは「食に携わる者として最低限の責任は、正直に安全なものを提供すること」。例えば、米であれば出来るだけ農薬を使わず健康に育てたものを提供する。生産者は元より、加工する者も食事を提供する者も、すべてが当然守るべきである、と。
 「いわや」では、自家製の米や野菜を使い、仕入れる猪肉や鶏肉にもこだわって"本物"を提供しています。与作は、「だって、産地を偽ったり混ぜもんしたり、消費者をだましてたら長続きせんでしょう!」と熱く語ってくれました。

【米作りの苦労】

米作りの苦労

 中でも一番こだわっているのが、米作りです。先代が「いわや」を始めた時は、田も畑もなかったそうです。10年前に後を継いだときに、自家製の米や野菜を提供したいと思い、徐々に増やし今では一町歩の田畑で米や野菜を育てています。因みに、一町歩とは約10,000㎡で、なんとほぼ甲子園球場約1個分に相当します!
 当然、素人から始めたワケですから、最初は近隣の農家から助っ人に来てもらい少しずつノウハウを学んだそうです。また、農業の普及員やJAの専門職の方々に教えを請うたり、雨の日は図書館で専門書を読みふけって知識を身につけたそうです。その理由というのが、「一通り経験しておかんと、他の人に指示できんでしょ」というから笑えてきます。料理人ならではのこだわりと、負けず嫌いの性格がなせる技なんでしょうね。

米作りの苦労

 しかし、そんなに簡単に美味しい米ができるワケもなく、いろいろと苦労したようです。一番辛いのは、年に3回やらなければならない"草刈り"。平坦な田圃に比べ、雑草の生える面積がべらぼうに多いとの事。通常の田圃なら耕作面積10に対して、草刈りをする面積は2程度のところ、法面の多い谷間の田圃は、耕作面積10に対して草刈の必要な面積が、何と50にもなるそうです。
 また、小雨の年は、谷の水を使うので、下流にある自分の田圃に水が廻ってくるのが何時になるか分からないため、精神的にきついと言ってました。大体、どこの田圃も水が必要になるのは、ほぼ同じ時期ですからね。

【美味い米】

美味い米

  米は少なく作った方が美味しい。ただし、少なく作ると収量が減りますから、普通の農家なら痛し痒しですね。「いわや」では、自家製の米を自分の店で食べてもらうため、収量は一切気にせず、とにかく美味しさにこだわり、様々な努力を重ねた結果、近畿地区の食味コンクールで最優秀賞を取れるような米となりました。
 具体的には、「田植えの時に株間を空ける」「最低限の水で育てる」「カルシウム系の肥料を使う」「殺虫剤の空中散布は行わない」「できるだけ毎日田圃に行って稲の様子を観察する」などです。こうする事で"根が強い稲"に育ち、美味しい米が穫れます。毎日のように稲を観察していると、稲が今何をして欲しいかが分かってくるらしいです。そうして、水入れや肥料をやるベストなタイミングを計っているんですね。
 また、週間天気予報を1日に最低5回は見るため、家族からは「おかしいんとちゃう?」とまで言われてるそうです。しかし、雨の予報で水やりのタイミングを決めているので、刻々変わる天気予報は常に把握しておきたいんでしょうね。
 それから、"篠山"という立地にも助けられています。寒暖差が大きい"篠山"では、朝露が多くつきます。そうすると、米の糖度が増します。また、綺麗な谷水が豊富なのも、好条件ですね。
 新米の刈り頃は、稲穂の8割以上が黄色くなった時期。期間はだいたい、一週間だと言います。その間に刈り取り、ミニ・ライスセンターに持ち込んで玄米まで加工して保存します。JAなどの大規模なライスセンターに持ち込むと、他の生産者の米と混ぜて処理されるため、自分の米がわからなくなります。小規模なミニ・ライスセンターなら、田圃単位での処理が可能なので、「いわや」の"どの田圃で作った米"という単位で管理ができます。

【次世代に向けて】

次世代に向けて

 「農業だけでは、決して儲かりません」と与作は言います。例え田畑があっても、借金をして必要な機械を購入し努力をしても、儲けを出すことは大変なことのようです。田圃は、一年植えるのを止めると土が腐ってきてしまいます。そのため、先祖からいただいた大切な田圃を守るためだけに、毎年田植えをしている農家さんもあるようです。
 彼は、採算の取れる農業を広めていきたいと考えています。自分自身も、生産者であり、加工業者であり、販売者であります。つまり、農業の6次産業化を体現しているのです。篠山に、付加価値をつけられる加工場を作りたい。都会の消費者と直接結びついた流通経路を確保したい。魅力的な販売所を作りたい。そんな希望を持ちながら、様々な活動をしています。
 その中のひとつ「丹波栗の再生プロジェクト」では、丹波栗の生産量をもっと増やすために補助金を集め、「皮を剥いた栗を仕入れたい」というプロのニーズに応えるべく、加工場の設立に奔走しています。
 それでなくとも忙しいのに、どうしてそこまで動けるのか?その理由は明快でした。「今、俺がアクションせんかったら、子供の代につながらへんでしょ!」というセリフが、美味しかった"新米の塩むすび"と共に、いつまでも心に残っています。

「丹波篠山 囲炉裏料理 いわや」

http://www.eonet.ne.jp/~iwaya/index2.html
〒669-2301 兵庫県篠山市火打岩495-1
TEL.079-552-0702(代)・4071
FAX.079-552-6366
営業時間:午前11時~(午後8時オーダーストップ)
定休日:4月~9月 (第1・第3木曜日) 10月~3月(無休)
大晦日・元日はお休みとさせて頂きます。
<予約制につき、上記お電話にてご予約承ります>

丹波篠山 囲炉裏料理 いわや 丹波篠山 囲炉裏料理 いわや

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