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COOKING

COOKING grafと考える我が家のおもてなし

Vol.015

鉄板割烹 祇園一道の関孝明さんに習う、秋の和食膳

12.10.17

鉄板割烹 祇園一道の関孝明さんに習う、秋の和食膳

野菜も魚も果物も、旬の味がそろう季節になりました。食欲の秋、キノコやハモなど、ニッポンの味覚をたっぷり味わうなら、やっぱり和食のおもてなし。教えていただくのは、今京都で人気急上昇中の鉄板割烹[祇園一道]の関孝明さんです。しっかり脂が乗った戻りガツオのタタキや、松茸の土瓶蒸しなど、いずれも旬の食材を使った和食の代表メニューではありますが、若手の関さんらしい新鮮なアレンジや工夫が随所に。和食の基礎となる、関さん流のおいしいだしのとり方と使い方も必見です。

鉄板割烹 祇園一道 店主 関 孝明

[ホテルグランヴィア京都]の鉄板レストラン[五山望]で修業の後、33歳で独立。2011年に祇園四条にカウンター8席のお店を開店。鉄板焼きというジャンルにとらわれない斬新な素材使いと、鉄板で焼く特性を生かした和の創作料理が話題に。おまかせコース8,400円〜。
鉄板割烹 祇園一道
京都市東山区祇園町南側589 ぎをん松本ビル1F
電話075-561-1949
17:00〜翌1:00
不定休

ホテルやレストランで鉄板料理となれば、臨場感や特別感がありますが、ご家庭での鉄板焼きなら焼肉などのホットプレートのイメージでしょうか。ただし今回は鉄板を使うのではなく、本格的な鉄板料理の技を加えた、家庭でできる秋の和食の3品を、関さんに教えていただきます。

―今日の3品、どれもスタンダードな和食に、関さんの大胆なアレンジが効いたメニューなので、とても楽しみです。まず鉄板料理でカツオのタタキ、というのが意外なんですが?

関さん「お客様の前で焼くパフォーマンスという大きな違いはありますが、鉄板料理といっても基本的にはフライパンと同じです。だからご家庭でも再現しやすいですね。カツオのタタキもフライパンで簡単にできます」

―確かにフライパンも素材こそいろいろですが、鉄板の一種ですもんね。タタキを焼く時のコツはありますか?

関さん「フライパンをしっかり加熱しておいて、油をなじませておくことです。温めておかないと、カツオの皮がくっついてしまいます。焦げがおいしいので、香ばしさのために一気に焼いてください!」

―焼いた後のカツオは氷水でしめるのがタタキでは一派的ですよね?

関さん「それをすると、魚が水分を吸って生臭くなってしまうので、そのまま温かい方が絶対においしいです。その時に食べきってしまうなら、アツアツで食べるのがおすすめです」

―おいしそう! そして薬味もポン酢じゃなく、海苔の佃煮とは、新しい感覚ですね。

関さん「海苔の佃煮は簡単にできるので、焼き海苔が残ったり、湿気ってしまった時などにも試して見てください。これ、チーズと食べてもおいしいんです。そしてミョウガと大葉とショウガの薬味は簡単だけど万能! 焼いた豚肉や麺類など、いろんな料理のトッピングにも活躍しますよ」

―その三大薬味なら一気に風味が増しそうですね。佃煮もいろいろ試してみます。次の土瓶蒸し風はいわゆるあの松茸の土瓶蒸しですか?

関さん「そうです。家で作りやすいように器をココットに代えて作るレシピです。それに、通常土瓶蒸しはスダチを使いますが、代わりの酸味として今回はトマトを使います。基本は和風ですが、ニンニクや香草を加えると洋風に、葱油やトウチ醤なら中華風になります」

―関さんらしいアレンジですね。トマトを入れるとどんな味になるのか楽しみです。さて、ここで使うかつおだしですが、基本的なだしのとり方をあらためて教えてください。

関さん「まず昆布を2〜3時間以上は浸けておいてください。次にそれをそのまま60~65℃まで温度を上げて、鍋底に気泡がプツプツと出てくるぐらいに。昆布を取り出すのは、湯気が出て気泡が浮いてきた頃が目安です。そしてカツオ節を投入し、すぐに火を消します。全部カツオが水に沈んだら、ふきんやペーパータオルで静かに漉します」

―すごく香りがいいですね。ちなみにお店ではどんな昆布と鰹節を使ってらっしゃるんですか?

関さん「店ではだしが味の基本となるので、本枯節と真昆布を使っています。ご家庭ではいろんなものを使ってみて、味を比べてみるのもいいでしょう。そして家で使う場合は濁っていても問題ないので、鰹節を漉さずに自然に沈殿させたまま使えば、より手軽です。残った鰹節は、ミキサーにかけてカレーに入れたりしてもおいしいですよ」

―それは間違いなくおいしいでしょう! そして最後は、豚の東寺焼き。東寺焼きとは、どういうお料理ですか?

関さん「本来は焼きではなく、東寺揚げと呼ばれる湯葉を使った揚げ物なんです。それをヘルシーに焼きで仕上げます。ニンニクはたっぷり使いますが、牛乳でしっかり煮こぼしすることで、臭みはかなり消えます」

―どちらも女性には嬉しいポイントですね。そしてこのニンニククリームも何か応用できそうですが?

関さん「そうなんです。このクリーム煮は、アンチョビを加えてピューレにすればバーニャカウダのソースになります。また、さらに煮詰めて水分を飛ばし、ジャガイモに混ぜてポテサラにしても抜群の相性です。また、今回は豚肉を使いましたが、比較的どんな食材とも合うので、お魚の切り身や餃子の具などいろんなものを巻いても楽しいですね」

―まさにおもてなしにぴったり。今日のお料理は和がベースですが、本当にどれも幅広くアレンジできるのがいいですね。私もどんどん応用バージョンを作ってみたいと思います!

海苔の佃煮と薬味は別の器に盛ってもいいけれど、こんな風に上に乗せるとより華やかに。和食器だから盛り付けも和食らしく、と堅苦しく考えず、自由にアレンジを楽しんで。日本酒は滋賀[村瀬酒造]の純米吟醸「松の司 楽」。味が柔らかく、主張しすぎないので、薬味やニンニクを使った料理によく合います。

〈本日のコーディネート〉

月をイメージした"丸"の食器やゴールドをアクセントに、紺のクロスで落ち着いた秋らしいコーディネートしました。お花は秋の七草の一つ、オミナエシや栗、トルコキキョウで和モダンな感じに。杯はあえて和ではなく、イタリアのアンティークグラスをセレクト。秋の夜長を楽しむ夜の集いには、大人っぽい雰囲気のひねりの効いたコーディネートがおすすめです。

今月のおもてなしレシピ

戻りガツオのタタキ 海苔佃煮といろいろ薬味

変わり薬味でいつもと違うタタキに。

料理完成イメージ
【材料】※4人前

戻りガツオ・・・1/4本
焼き海苔・・・5枚
(A)濃口みりん、酒、砂糖・・・各大さじ2
(B)ミョウガ2本、大葉5枚、生姜1かけ
(C)ワサビ(おろし)、にんにくチップ

【作り方】
  • その1 【1】 戻りガツオは血合いをきれいに掃除し、浸透圧脱水シートで2時間ほど巻いて、余分な水分をとっておく。脱水シートがなければ塩を振り、キッチンペーパーで水分を取る。 【2】 焼き海苔をちぎって鍋に入れ、(A)を入れて混ぜながら煮きり、佃煮にする。
  • その1 【3】 薬味を作る。(B)は、ミョウガは細かく輪切り、大葉とショウガは千切りしてそれぞれ水通しし、混ぜ合わせる。
  • その1 【4】 軽く塩をしたカツオを、油をひき熱くしておいたフライパンで一気に皮目を焼く。皮目だけを焼いたら食べやすい厚さにカットしておく。 【5】 【4】のガツオを盛り、【3】の薬味と【2】の海苔佃煮を盛りつけできあがり。
ココット土瓶蒸し風

トマトの酸味でさっぱりと。

料理完成イメージ
【材料】※4人前

ハモ・・・60g(約1/3尾、骨切りされたもの)
松茸・・・1本
フルーツトマト・・・1個
かつおだし・・・1L (水1L、昆布・・・15g、かつおぶし・・・25g)
(A)泡口醤油、酒、塩・・・適量

【作り方】
  • その1 【1】 ハモは臭みとアクを抜くため、塩と酒少々を入れた熱湯で霜降りにしておく。
  • その1 【2】 松茸は香りを残すため、切り目を入れて適当な大きさに手で裂いておく。フルーツトマトは湯むきし、カットしておく。 【3】 出汁を取り、(A)で味を整えておく。
  • その1 【4】 【3】に松茸を入れ、火入れし、香りを移しておく。
  • その1 【5】 ココットに松茸とフルーツトマトを先に入れ、温めた【5】を注ぎ、ハモを最後に加えて、アルミホイルでフタをして、200℃にあたためたオーブンに5分ほどいれ、できあがり。
豚の東寺焼き ニンニククリーム煮

あっさり湯葉焼きを濃厚ソースで。

料理完成イメージ
【材料】※4人前

豚(バラスライスまたは肩ローススライス)・・・8枚
平湯葉・・・4枚(使用したのは15cm×10cmぐらいのもの)
ニンニク・・・10かけ
牛乳・・・500cc
生クリーム・・・500cc
塩、コショウ・・・適量
小麦粉・・・適量
サラダ油・・・適量

【作り方】
  • その1 【1】 平湯葉を広げて豚を並べ、塩、コショウをしたら、巻物のように丸め、小麦粉をつける。
  • その1 【2】 【1】を少し多めの油でキツネ色に焼き、ひと口大にカットする。
  • その1 【3】 皮をむいたニンニクを牛乳で2〜3回湯こぼしして臭み消しをする。 【4】 【3】を生クリームに入れて弱火で炊き、塩、コショウで味を整えてできあがり。

料理・レシピ制作/関孝明(鉄板割烹 祇園一道)
テーブルコーディネート/小川薫(Salon de clover)
取材・文/天見真里子 写真/川隅知明
エプロン/芦屋ル・タブリエ

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