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COOKING

COOKING grafと考える我が家のおもてなし

vol013

名店直伝のあっさり中華

12.06.13

Chi-Fu、ビストロAz、ビーフン東の東浩司さんに習う、名店直伝のあっさり中華

定期的に食べたくなる名店の味って誰でもありますよね? 今回はまさにそんなお店[ビーフン東]の3代目店主、東浩司さんが先生です。1946年に大阪で開業し、'92年に一旦閉店したものの、2011年9月に約20年ぶりに復活! 鶏ガラスープのあっさり味の汁ビーフンは、特に40~50代の方には、かなり懐かしい味なのではないでしょうか。今回の料理は、焼きビーフンといただく、夏のおもてなしにぴったりの、油っこくないあっさり中華メニュー。コシがある麺のビーフンの作り方はもちろん、いろいろ応用できそうなソースもチェックして下さいね。

Chi-Fu(シーフ)、ビストロAz(アズー)、ビーフン東 3代目店主 東浩司

店の歴史は古く、1900年頃石川県から台湾に日本料亭を開店したのが始まりで、大阪で開店の後、'51年に東京・新橋にも出店。現在の屋号である[ビーフン東]は、東京で生まれたもの。そして都内の中華料理店で5年間修行をした三代目の東さんが、満を持して大阪に[ビーフン東]と[ビストロAz][中国料理Chi-Fu]を同時オープン。1Fの[Chi-Fu]は「ワインと中国料理」をテーマとしたコースのみの現代中華。B1Fは、ランチは[ビーフン東]として名物の味を、夜は中国の郷土料理や家庭料理が気軽に楽しめるビストロ居酒屋[ビストロAz]。[ビーフン東]のランチセットは1,000円~、[Chi-Fu]はランチコース3,600円~。
Az/ビーフン東
大阪市北区西天満4-4-8 B1
電話06-6940-0617
11:30~13:30(土曜は休み)、17:30~23:00(いずれもオーダーストップ、土曜はディナー営業のみ)
日曜・祝日休

Chi-Fu
大阪市北区西天満4-4-8 1F
電話06-6940-0317
11:30~13:30(土曜は休み)、17:30~20:30(いずれもオーダーストップ、土曜はディナー営業のみ)
日曜・祝日休

暑い夏はどうしても食欲がなくなりがちですよね。特に油をたくさん使う中華料理は敬遠しがちかもしれません。でも今回のメニューはちょっと違います。湯引きでさっぱりいただく海鮮や、ボウルで和えて仕上げたり、どれも油控えめな軽めのアレンジです。節電にもなり、キッチンもあまり汚れない、といううれしいポイントも。それでいて見た目も豪華で本格的! おもてなしにぴったりです。

―私は20年前に大阪にあった[ビーフン東]さんには伺ったことはなかったんですが、2011年にオープンされてから、特にバーツァン(中華ちまき)は、自宅の冷凍庫にストックするほど大好きなんです。おもたせにもよく利用させていただいてます。

東さん「ありがとうございます。バーツァンもビーフンと並ぶうちの名物。ランチでも人気の一品です」

―今回教えていただく焼きビーフンは、東さんにお店で出されている味とはまた違う、オリジナルのレシピなんですよね?

東さん「そうです。お店では昔から具を麺の上に乗せるスタイルなんです。今日の焼きビーフンはさっと和える台湾の屋台の味! 今日の具材は豚バラですが、海鮮を使ってもおいしいですよ。麺と具を別々に炒めてボウルで混ぜ合わせます」

―別々で炒めるビーフンは初めてです!

東さん「今日ぜひ覚えていただきたいポイントは、麺の戻し方です。ご家庭で作られるビーフンは、麺がプツプツと切れてしまうことが多いのではないでしょうか。そうならないために、茹で時間を短縮して、さっと炒めて水分を飛ばし、あとは余熱で蒸して弾力性を高めるんです」

―この作り方は目からウロコですね! 確かにビーフンはやわらかく歯ごたえがなくなってしまうんですよね。炒めて混ぜるのではなく、具と麺を和えるというのも新鮮です。

東さん「味付けは鶏ガラスープと塩だけですが、例えばビーフンを茹でる時に、今回なら回鍋肉を作る時にできる豚のゆで汁を使うと、出汁が効いておいしさがアップしますよ。それから、カレー粉を入れるとシンガポール風になるのでぜひ試してみてください」

―カレー味ビーフン、間違いなくおいしいですね! そして海鮮の湯引きですが、これは中国のどのあたりの料理なんですか?

東さん「香港で夏場によく食べられる料理です。簡単に言えば海鮮しゃぶしゃぶのようなもので、本国ではナンプラーや醤油などで食べることも。今回作ったソースの中でも山椒のソースは細かく叩くことで、味にパンチが出ます。ハンドミキサーやフードプロセッサーを使う場合は、ペースト状の手前ぐらいがベターです。刺激が苦手な方は、実山椒の代わりに木の芽でもOK。ネギ油のソースは辛くなく、ネギの香りが海鮮によく合います。XO醤風ソースは、焼きそばや炒飯に使ったり、回鍋肉のタレにしてもおいしいですよ」

―中華のタレはかなり万能ですよね。それから、茹でる時にネギとショウガを入れるのは魚の臭みを取るためですか?

東さん「その通りです。臭みを取って、甘みを引き出します。イカは臭いがでやすいので、茹でる時は最後に。どれも火が入りすぎると固くなりますので、本当にしゃぶしゃぶの要領でいいと思います。ですから、生食用を用意してください」

―最後の回鍋肉ですが、これは炒めるのではなく、蒸すんですね。ル・クルーゼで中華、というのも面白いです。

東さん「夏なので、たくさん食べてもらえるように蒸しでアレンジしました。もちろんル・クルーゼの代わりに土鍋など蒸し焼きにできる鍋なら何でも構いません」

―茹でた豚肉を薄く切るのが難しそうですが・・・。

東さん「縦でも横でも切りやすい向きで構いません。もし豚の臭いが気になる方は、ネギを炒める時に一緒にさっと炒めると良いでしょう」

―鍋ごとテーブルに置いて、ワイワイ食べるスタイルがいいですね。全く回鍋肉っぽくありませんが(笑)。ところで、このソースに使った豆板醤は東さんのこだわりの調味料の1つとお聞きしました。

東さん「はい、別名"黒い豆板醤"と呼ばれるピーシェンドーバンです。豆板醤を3年以上寝かせたもの。コクがあり、辛みがまろやかなんです。ピーシェンは四川省にある地名で、四川麻婆豆腐には欠かせない存在です。最近ではネットや中華食材の専門店でも買えますので、ぜひ試してみてください」

―とても気になります! おもてなし中華料理の格が上がりそうですね。

焼きビーフンは大皿でも迫力ありますが、取り分けてサーブしても。海鮮の湯引きは見た目も豪華。回鍋肉は盛りつけてもOKですが、ぜひ鍋ごとテーブルに出してアツアツを食べたいもの。豚肉の旨みを吸収したキャベツから出たスープもぜひ味わって。ソムリエの資格を持つ東さんがセレクトしたワインは、ピノノワール主体のシャンパーニュ「アンリ ビリオ」。しっかりめのコクがあるタイプで、醤油や味噌味など重過ぎない和食にもよく合います。

〈本日のコーディネート〉

東さんのお店もモダン中華で洋食器を使ってらっしゃるので、いかにも中華なコーディネートではなく、シックな雰囲気にしました。お花はテーブルランナーとおそろいのあじさいをメインに、トルコキキョウと白バラを合わせ、フラワーベースの中にグリーンをあしらってアジアンテイストに。夏らしい涼やかな雫柄のガラスプレートは、イタリアのハンドメイドガラスメーカー、IVVのもの。

今月のおもてなしレシピ

台湾風焼きビーフン

台湾の屋台の味を再現。

料理完成イメージ
【材料】※4人前

(ビーフンを戻す材料)
水...1.5リットルと大さじ1
塩...大さじ1
油...大さじ1×2
ビーフン...150g(2玉、味のついていないもの)
鶏ガラスープの素...小さじ1

(焼きビーフンの材料)
油...大さじ1/2
豚バラスライス肉...50g
もやし...50g
シイタケ(大)...1枚
キャベツ...4枚
干しエビ...10g
お湯...大さじ1
ニラ...1/2束
塩...少々

【作り方】
  • その1 【1】 1.5リットルの水に塩と油各大さじ1を混ぜて、ビーフンを表示時間よりも1分短く茹でる。 【2】 ビーフンを鍋から上げて水気をよく切る。 【3】 油大さじ1を敷いたフライパンに、鶏ガラスープの素と水大さじ1を入れ、ビーフンの麺だけを強火で20~30秒炒める。
  • その1 【4】 水分が飛んだら【3】をボウルに移し、フタまたはラップをして蒸らす。 【5】 ビーフンに入れる具を適当な大きさに切っておく。干しエビはお湯で戻しておく。 【6】 油を敷いた強火のフライパンで、豚バラ肉と【5】を軽く炒め、最後に干しえびを入れ、塩で味を調える。
  • その1 【7】 【4】のビーフンと【6】の具をボウルで混ぜ合わせてできあがり。
海鮮の湯引き 3種のソース

香港風の海鮮しゃぶしゃぶを好みのソースで。

料理完成イメージ
【材料】※4人前

(海鮮の材料)
エビ(生食用)...8尾
ホタテ貝柱(生食用)...3枚
ヤリイカ...2杯
お湯...2リットル
酒...大さじ2
塩...大さじ1
ネギ、ショウガ...各適量

(山椒ソースの材料)
万能ネギ(青ネギ)みじん切り...大さじ1
ショウガ...小さじ2
実山椒...小さじ1
醤油...大さじ4
酢...大さじ1
砂糖...小さじ1
ごま油...大さじ1

(ネギ油ソースの材料)
ネギ(白ネギ)のみじん切り...大さじ4
万能ネギ(青ネギ)のみじん切り...大さじ1
おろしショウガ...小さじ1
塩...少々
油...大さじ3

(簡単XO醤風ソースの材料)
干しエビ(または乾燥桜エビ)...30g
干し貝柱...50g
タマネギのみじん切り...100g
ハム...50g
砂糖...小さじ1
醤油...大さじ1
オイスターソース...大さじ1
エビの戻し汁...50cc
貝柱の戻し汁...100cc
唐辛子...3本
ニンニク...1片

【作り方】
  • その1 【1】 ヤリイカは内蔵と皮を覗き、胴を1cmほどの輪切りにする。 【2】 エビは背わたを取る。ホタテは十字に切ってひと口大(縦半分~4等分)に切る。 【3】 2リットルのお湯を沸かし、酒、塩、ネギ、ショウガを入れる。 【4】 エビ→ホタテ→イカの順にサッと茹でる。
  • その1 【5】 山椒ソースを作る。万能ネギとショウガ、実山椒を細かく切り、その他の材料と混ぜ合わせる。同様にネギ油ソース、簡単XO醤風ソースも作っておく。 【6】 【4】と3種類のソースをそれぞれ盛りつけてできあがり。
  • (ネギ油ソースの作り方)
    【1】材料をすべて混ぜ、熱した油をジャッと注ぐ。

    (簡単XO醤風ソースの作り方)
    【1】ニンニク、唐辛子を弱火で炒めて香りを出す。
    【2】戻したエビ、貝柱、タマネギ、刻んだハムを入れてじっくり炒める。
    【3】砂糖、醤油、ソース、戻し汁を合わせてさらに炒める。
蒸し焼き回鍋肉

焼かずに蒸すさっぱり味の肉料理。

料理完成イメージ
【材料】※4人前

豚バラ肉...かたまりで300g
キャベツ...1/4個
長ネギ...1本
スープ(豚のゆで汁)...大さじ2

(ソース)
甜麺醤...大さじ2
豆板醤...小さじ2
酢...小さじ1 1/2
醤油...小さじ2
スープ(豚のゆで汁)...小さじ2

【作り方】
  • その1 【1】 豚バラ肉のかたまりをたっぷりの沸騰したお湯に入れ、水面がコトコト踊る程度の弱火で20~30分茹でる。
  • その1 【2】 豚肉を3mm程度の厚さに切る。
  • その1 【3】 ル・クルーゼに少量の油を熱し、斜め切りにしたネギを炒める。 【4】 【3】にキャベツを敷き詰め、豚のゆで汁を掛ける。上に切った豚肉を乗せてフタをして火にかける。 【5】 ソースを作る。材料をすべてよく混ぜ合わせる。
  • その1 【6】 約5分後にフタを開け、【5】のソースを掛けてできあがり。

料理・レシピ制作/東浩司(Chi-Fu/ビストロAz/ビーフン東)
テーブルコーディネート/小川薫(Salon de clover)
取材・文/天見真里子 写真/川隅知明
エプロン/芦屋ル・タブリエ

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