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COOKING

COOKING grafと考える我が家のおもてなし

vol010

オードブルと洋食のおもてなし料理

12.03.14

洋食Katsuiの勝井景介さんに習う、オードブルと洋食のおもてなし料理

季節を問わず食べたくなる料理、といえば洋食。ジューシーなハンバーグやアツアツのコロッケは、老若男女問わず「苦手」という人はほとんどいないのでは? 春は新しい出会いの季節でもあるので、誰にでも喜ばれるメニューは必須。今回は、盛り付けも華やかなおもてなしの洋食料理を、心斎橋の人気洋食店[洋食Katsui]のオーナーシェフ、勝井景介さんに教えて頂きます。なかなか家で作るのはハードルが高いと思われがちなクリームコロッケの簡単な作り方や、プロならではのサラダの盛り付け方を伝授して頂きます!

洋食Katsui オーナーシェフ 勝井景介

東京でホテルマンとして働いた後、27歳で脱サラし飲食業界へ。7年間の修行を経て'99年に東心斎橋に[洋食Katsui]をオープン。好奇心旺盛な超ポジティブシェフが作る洋食は、看板メニューのエビフライや山形牛を筆頭に、北海道のカキなど季節のごちそう、お客さんの要望から火が付いたテイクアウトのカツサンドなど、枠にとらわれない幅広さが魅力。特別な日のディナーから、コンパ(実は多いそう)や打ち上げといった団体での利用まで、使い方は自由自在なのも愛される店の所以。ランチは1,500円~、山形牛のビーフカツレツは2,000円。
洋食Katsui
大阪市中央区東心斎橋1-2-17 第一住建東心斎橋ビル1F 電話06-6252-7014
17:00~24:00(木~土曜&祝日は11:30~15:00も営業、日曜は11:30~23:00 全てラストオーダーは30分前、日曜のランチのラストオーダーは16:00) 月曜休

子どもはもちろん、洋食って大人も大好きですよね。ハンバーグやロールキャベツといった家でもおなじみの料理ではあるんですが、やっぱりお店で食べると"特別感"があります。今日はホタテの旨みが凝縮されたクリームコロッケをメインに、コールドビーフとウニを使ったオードブルになる卵料理を教えて頂きます。あの"特別感"を、家でのおもてなしにも再現できるポイントは絶対に覚えたいですよね。

―私もよくお店にはお伺いするので、カツイさんの味を家で作れるなんて、感激です。洋食の基本をしっかりメモします!

勝井さん「小川さんが作られても充分おいしいはずですよ! でも今回は、家でより手軽に作れる方法と、洋食に欠かせないサラダの盛り付け方をお教えしたいと思います。決してややこしいルールではありませんが、これを知っていると知らないとでは見た目の美味しさが数段変わるんです」

―わ! それは楽しみ。1品目はホタテのクリームコロッケですね。クリームコロッケは家で作ると破裂して失敗しそう、と思っている方は多いと思います。それに工程が大変そう。

勝井さん「今回はお鍋1つで作る方法なのですごく簡単! そして西洋のダシの基本をぜひ覚えて下さい。ここで言うと、1と2の工程。タマネギとシイタケのみじん切りは低温でじっくり炒めることで旨みが出ます。ホタテも香ばしさを出す場合は高温ですが、旨みを引き出すには低温でじっくりと"炊く"状態にしてください」

―なるほど。そして小麦粉もバターも牛乳もそのまま同じ鍋に入れるんですね。

勝井さん「もちろん"こうした方がベター"という部分はありますが、それが食べた時に分かるほどではないなら、簡単な方がいいでしょう。牛乳だって人肌に温めるのはレンジでチンでいいですよ。ただ、ここはダマにならないように数回に分けていれましょう」

―破裂しにくくするコツは?

勝井さん「生パン粉を付けて成形した後、少し休ませてあげることですね。ちなみにクリームソースは少し固めに作って1日寝かせるとベター。このソースはグラタンやドリアにも応用できますよ」

―次に牛モモ肉のタタキですが、いわゆるコールドビーフってとても難しそうなイメージがあります。

勝井さん「この作り方ならほんまに簡単ですよ。アルミホイルを使って余熱で火を通すんです。モモ肉は値段も手頃なので、アレンジの1つとして覚えておくと、まさにおもてなしに重宝しますよ」

―モモ肉の選び方は、どんなことに気をつけたらいいでしょうか?

勝井さん「うちは和牛を使いますが、固まりで厚さ2~3cmのカマボコ状のカットならOKです。大切なのは、冷蔵状態から室温に戻しておくこと。でないと肉の真ん中まできれいに火が入らなくて、中だけ冷たくなってしまいます」

―作り方のポイントを教えて下さい。

勝井さん「最初のソテーは、たっぷりめの油を熱くして、肉とフライパンの間に油を入れていくように焼いていきます。表面だけおいしそうに焼けたら、素早くアルミホイルで全体を包んでください。熱いうちにササッと! あとは放置したら勝手にできますので」

―本当に簡単ですね! アルミホイルに包んでおくとあとは放置しておけるから、違う料理に取りかかれるし。お薦めの食べ方ってありますか?

勝井さん「ネギとおろしポン酢でサッパリと、刻んだ大葉とお醤油も合います。コショウやマスタード、ガーリックチップなど洋風にしてもいいですね。付け合わせはオニオンスライスやジャガイモとキノコのバターオイル炒めなどがお勧めです。和洋とらわれず、何でも好きなように試して下さい! 冷蔵庫で日持ちしますので作り置きしておくと便利です」

―ウニのスクランブルは、お店でも人気のメニューですよね。

勝井さん「そうですね。チーズを効かせたスクランブルエッグにウニをトッピングし、パンと食べるという前菜です。各自でパンに乗せて食べる、といったパフォーマンス性のあるメニューは、おもてなし料理にはぴったりだと思います。これはトロッとした食感を楽しんでもらいたいので、卵とウニの固さを合わせるのがポイント。スクランブルエッグは、イメージしたできあがりよりも少し早めに器に移して余熱で火を通しましょう」

―絶妙な卵の固さですよね。パングリエはトッピングのアレンジが効くので便利ですね。市販のクラッカーを使うよりもワンランク上の前菜になります。

勝井さん「作り方も簡単だし、日持ちするんです。うちの店でも必ず常備しています。仕上げに生のニンニクをすりつけると風味が増すのですが、あくまでも軽く。付けすぎると臭いがキツすぎて料理に影響するので注意してください」

―そして今回、サラダの盛り付け方も教えて頂けるとのことで、楽しみです。家で作るとサラダの部分は手を抜きがちなところ。だけどいざおもてなしとなると、ワンパターンになったり、困ってしまうんですよね。

勝井さん「基本さえしっかりおさえれば、そこから崩してアレンジできますので、是非活用してください。まずお皿全体に盛るのではなく、お皿の内側に1つ輪郭をイメージしてください。その輪郭内に盛っていくイメージです」

―お皿の外側は残しておくということですね。

勝井さん「そうです。お皿の中に皿を描いて、それを額縁に見立てるみたいな感じ。置き方は全て中心から置いて、どんどん重ねていきます」

―サラダの種類はどんなものでしょう?

勝井さん「洋食のスタンダードなら、コールスローとポテトサラダ、そしてレタスなどの葉野菜、トマトやニンジンなど色味のあるもの。特にルールはないので好きなもので構いませんよ。トマトは半分に割ってみたり、キヌサヤなどは割って豆を見せたり、動きを出します」

―わぁ! 華やかでおいしそう! 高さを出すとボリュームがありますね。

勝井さん「今にもはじけて動き出しそうな感じでしょう。ペタペタと盛るのではなく、グルーヴ感が大切。絶対にその方がおいしそうに見えるんです。ドレッシングも簡単なんで是非手作りしてください。いつもスタッフにも言っていることですが、サラダのお皿を見ながら、オリーブ油や塩を調整して作ると1番合う味になると思います」

―確かに! 作る方も楽しめますしね。それが見た目にも味にも表れるんだと思います。

クリームコロッケは食べやすくて失敗しにくい一口サイズの球体。大皿でサラダと一緒に盛るとかなりテーブルが華やかに。ちなみにお店では大きめのボールでサラダっぽくサーブされます。ワインはフランス、グラン・クールのボルドーブラン。品質と価格のバランスが取れた"カリテ・プリ"ワインの代名詞と言われており、上品な柑橘類の香りと果実味を感じる、酸味と爽やかさがよく調和したフレッシュなワイン。

〈本日のコーディネート〉

春の芽吹きをイメージして、明るいカラーと柄を使ったコーディネート。チェックのクロスは可愛らしくなりすぎないよう、麻素材のものをチョイス。アソートの葉っぱ柄プレートはパリで見つけたドイツ製です。箸とスプーンも木の素材にしてナチュラルなイメージを添えました。お花はスズランとカーネーションで、クロスの色と合わせてスッキリと。

今月のおもてなしレシピ

ホタテ貝のクリームコロッケと野菜サラダ

旨みを詰め込んだコロッケ。ボール状にすれば失敗しません!

料理完成イメージ
【材料】

有塩バター...70g
タマネギ...1/4個
シイタケ...2個
ホタテ貝...2個
白ワイン...大さじ1
小麦粉...70g
牛乳...500ml
チーズ(パルミジャーノ、粉チーズでも可)...大さじ1
塩コショウ...適量

〈揚げ衣〉
卵...2個
小麦粉...適量
生パン粉...適量

〈野菜サラダ〉
コールスロー、ポテトサラダ、レタスやニンジン、プチトマト、アスパラなどお好みで
ドレッシングはオリーブオイルと酢(米酢、リンゴ酢、ビネガーでも)を3:1の割合で。塩こしょう、好みでマスタードなど。

〈タルタルソース〉
タマネギ、ゆで卵、ピクルスをみじん切りにする。タマネギはフキンなどでもんで辛みをぬく。市販のマヨネーズに混ぜ合わせる。

【作り方】
  • その1 【1】 鍋にバター、みじん切りのタマネギ、みじん切りのシイタケを入れ、弱火でゆっくりソテーする。 【2】 タマネギが飴色になったら、小さく切ったホタテ貝を入れ、完全に火が入る前に白ワインを注ぎ、アルコール分を飛ばす。
  • その1 【3】 【2】にバターを入れ、固まりがなくなったら小麦粉を入れる。弱火で焦がさないように木ベラでしっかり混ぜながら、水分を飛ばす。 【4】 【3】に人肌に温めた牛乳を3、4回に分けて注ぎ、ダマのない状態でゆっくり火入れし水分を飛ばす。塩コショウで味つけし、刻んだチーズを入れる。出来上がりのコロッケの固さをイメージし、少し固めに調整する。
  • その1 【5】 【4】をバットまたはタッパーに入れて充分冷ます。固まったら約20g程度の団子状に丸め、小麦粉、溶き卵、生パン粉の順に付けて、10分以上休ませる。溶き卵に少しの油や牛乳、または水をいれると糸引きしにくくなる。
  • その1 【6】 180℃のサラダ油で表面がキツネ色になるまで揚げる。
牛モモ肉のタタキ

ポン酢や醤油と好相性のコールドビーフ。

料理完成イメージ
【材料】

牛モモ肉のかたまり...200g
塩コショウ...適量(やや多め)
ニンニク...1片
タマネギ...1/4個
サラダ油...適量

付けダレとして
ポン酢...適量
醤油...適量

【作り方】
  • その1 【1】 モモ肉のかたまりは室温に戻しておく。 【2】 【1】に多めの塩コショウをし、すりおろしたニンニクとタマネギを混ぜ合わせたものを全体に塗り、30分以上おく。
  • その1 【3】 【2】の表面の水分をペーパータオルで拭き取り、フライパンに油をたっぷりめに注ぎ、しっかりと油を馴染ませながら色づくまで両面焼く。
  • その1 【4】 表面だけおいしそうに焼けたら、手早くアルミホイルで全体を包み、手で少しもんで放置する。
  • その1 【5】 熱が取れたら(完全に冷めてからでもOK)、薄くカットして好みの付け合わせと共に盛り付け、醤油やポン酢を添える。
ウニのスクランブル
Catalana al rum

生ウニとスクランブルエッグの食感を楽しむ。

料理完成イメージ
【材料】

卵...2個
塩コショウ...適量
生クリーム...大さじ1
バター...10g
パルメザンチーズ...適量
生ウニ...お好みの量
EXヴァージンオリーブオイル...適量
白コショウ...適量

パングリエ
バゲット...1本
ニンニク...少々

【作り方】
  • その1 【1】 ボールに全卵2個、塩コショウ、生クリームを入れてよくかき混ぜる。 【2】 フライパンにバターを入れ、溶けたら【1】を流し入れ、中火でゆっくりと混ぜる。箸で混ぜながら鍋肌が見えるようになったら器に移す。
  • その1 【3】 【2】にパルメザンチーズのスライスまたはパウダー、生ウニをトッピングし、EXヴァージンオリーブオイルと白コショウで仕上げる。 【4】 パングリエを作る。スライスしたバゲットをあらかじめ熱くしておいたトーストに入れ、薄いキツネ色までトーストする。パンの水分を完全に飛ばし、仕上げに生のニンニクを軽くすりつける。 【5】 【3】のスクランブルエッグに、【4】のパングリエを添えて盛り付ける。パングリエにウニのスクランブルを乗せて召し上がれ。

料理・レシピ制作/勝井景介(洋食Katsui)
テーブルコーディネート/小川薫(Salon de clover)
取材・文/天見真里子 写真/川隅知明
エプロン/芦屋ル・タブリエ

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