
vol003
11.09.07
残暑が厳しい今年の初秋は、「とりあえずビール」から始まる集いがまだ多いのではないでしょうか。今回は、大阪・島之内の割烹料理店[島之内 一陽] のご主人、小河原陽一さんに、ビールに合う和食ベースの簡単創作料理を教えていただきます。ややこしい工程はひとつもなく、食材は近くのスーパーですべて手に入るような身近な素材ばかりなので、急なお客様にも対応できます。それでいて、見た目も味も「おっ!」と唸らせる完成度はさすがプロの技。さっそく今晩から作れる簡単レシピです。
西心斎橋の[和洋遊膳 中村] で修業の後、独立。季節の野菜と新鮮な魚を豊富に使い、和だけでなく、洋食や中華の調理法も取り入れられた創作料理は完成度が高く、お店はいつも満席。焼き魚や肉料理の火入れ加減が抜群で、素材の鮮度、調理、アレンジの3拍子が揃った人気の割烹料理店。
島之内 一陽
大阪市中央区島之内2-11-20 吉富マンション1F 電話06-6212-5678 18:00~翌1:00 日曜休
和食のおもてなし料理は、どうしてもお惣菜中心の"家庭料理"になりがち。今回は見た目も華やかながら、実は簡単にできる3品を考えていただきました。
―小河原さんのレシピ、とても楽しみにしていました。特別ではない食材も、ひと工夫でちゃんとしたおもてなし料理になるんですね。
小河原さん「本当にどれも簡単なんです。食材は特別に取り寄せるものはなく、調味料も家に常備されているものがほとんど。今回のおもてなしの段取りとしては、ポテトまんじゅうのジャガイモをゆでている間に鰻のチャプチェを作ります。ポテトまんじゅうを揚げながら、グリルでサラダ巻きの鮭を焼き...といった具合に並行して調理すれば、短時間で完成します。あえてややこしい手順は省いて、味を決めやすい食材を選んでいるので調味料も最低限です。それでいてお客さんを招くので、見栄えにはこだわってみました」
―まず鰻の和風チャプチェですが、これも市販のタレを使うんですね。
小河原さん「そうです。タレは鰻と一緒に付いてくるもの、または売られているもので構いません。ワサビもチューブタイプのものでOK。チューブタイプの練りワサビの方が風味が強いので、タレによく合うんです。春雨を戻している間に材料を切って炒めて、あとは合わせたタレで絡めるだけ!」
―次のポテトまんじゅうですが、和のおだしとクリームチーズという組み合わせが斬新です。
小河原さん「クリームチーズじゃなくて、例えばそぼろやベーコンなど、具材をアレンジしてもらえる料理です。ジャガイモには味を付けないので、中に入れる具材は濃いめの味のものが良いと思います。仕上げは、秋らしくあんかけにキノコを使いました」
―小河原さんのお店でも、揚げまんじゅうは良く出されてますよね。
小河原さん「そうですね、豆乳のまんじゅうとか。これはその簡単バージョンです。ジャガイモなので食べ応えがあります。フタ付きの器に盛り付けると、よりおもてなし感が出ますよ」
―なるほど! 今日は器もお持ち頂いたので、盛り付けも参考になります。最後のご飯ものも、とても卵の黄色が華やかで、女性や子供にも喜ばれるメニューですね。
小河原さん「そうですね、でもこれも海苔と卵を逆にしただけなんですよ。これも焼き鮭の代わりにツナ缶などを使うともっと簡単になります。ご飯の分量が少なめなので、〆の一品としても最適。卵を焼く時、しっかりと火を通すのがポイントです。その方が巻きやすいので。これは冷蔵庫で冷やしてもおいしいです」
―ビールは和食にも合うよう、少し香りの強い、うま味のある箕面ビールのヴァイツェンにしてみました。鰻のような脂の乗ったものとも相性が良いので、本当に飲み過ぎてしまうかも!
今回料理に合わせた[箕面ビール]は、熱処理、ろ過を行っていないビール酵母が生きたままの新鮮なビール。1本1本手造りされています。このヴァイツェンは、酵母が醸し出すフルーティーな香りと柔らかい飲み口が特徴の人気№1ビール。どっしりした料理よりも、少し軽めの和食ぐらいの方が、互いに旨みを引き出し合い、バランスが取れます。
グラスはスガハラガラスの富士山グラス。デザインコンペで受賞歴のあるこちらは、ビールを注ぐと上部の泡部分とその台形のシルエットが、まるで富士山のよう。桐の箱入りで、いろんなシーンのギフトとしてもお薦めです。お値段も富士山の標高と同じ、3,776円というのも粋ですね。
小河原さんにお持ち頂いた器とも合うように、極力シンプルに。漢字モチーフのお皿をアクセントに、大人っぽい雰囲気にしました。下の四角いお皿は河内長野の[和陶庵]のもの。カトラリーレストにもなる箸置きは私がそこで焼かせてもらったオリジナルです。お花は秋らしく、りんどうをワインレッドのカラーと合わせました。実はこの花器も[和陶庵]の陶器のお重なんですよ。
小河原さんのアドバイスでクッキングを予習。
ワサビがツンと爽やかな鰻のチャプチェ。
鰻(蒲焼き)・・・1/2尾
京ネギ・・・1/2本
万願寺トウガラシ・・・赤、青各1本
ヤングコーン・・・2本
春雨(乾燥)・・・30g
カイワレ・・・少々
刻み海苔・・・少々
鰻のタレ(市販)・・・大さじ2
練りワサビ・・・大さじ1
水・・・大さじ1
【1】
春雨は水で戻しておく。
【2】
練りワサビに鰻のタレと水を入れてよく混ぜ、タレを作る。
【3】
鰻、京ネギ、ヤングコーン、万願寺唐辛子、それぞれ食感が残るように約2cm幅にカットする。
【4】
フライパンに油を熱し【2】のヤングコーン、京ネギ、万願寺トウガラシ、鰻の順に炒め、戻した春雨を入れ、【2】のタレを入れて絡める。
【5】
皿に盛り付け、刻み海苔とカイワレを乗せる。
クリームチーズ入りのポテトまんじゅうをあん仕立てで。
ジャガイモ・・・1個(裏ごしして約200g)
クリームチーズ・・・20g×4個
マイタケ・・・1/2パック
シメジ・・・1/2パック
ミニアスパラ・・・1パック
白髪ネギ・・・少々
ピンクペッパー、ブラックペッパー・・・各少々
卵白・・・1個分
片栗粉・・・少々
出し汁・・・2合
塩、薄口醤油、コショウ・・・各少々
【1】
ジャガイモを蒸して皮をむき、裏ごししておく。
【2】
ラップに【1】を50gずつのせ、中にクリームチーズ20gを入れて巾着状のまんじゅうを作る。
【3】
卵白に【2】をくぐらせて、片栗粉を付け、約180℃の油で約2~3分揚げる。
【4】
出し汁にほぐしたキノコとミニアスパラを入れ、塩、薄口醤油、コショウで味付けし、適量の水溶き片栗粉であんにする。
【5】
仕上げに白髪ネギ、ピンクペッパー、ブラックペッパーをトッピング。
卵焼き風に仕上げた鮭のサラダ巻き寿司
塩鮭・・・1切れ(160g)
マヨネーズ・・・大さじ3
カラシ・・・大さじ1
すし飯・・・50g
焼き海苔・・・1/2枚
サラダ菜・・・2枚
卵・・・2個
醤油、砂糖、塩・・・各適量
※すし飯はごはん50gに寿司酢10ccを加え冷ましたものを使用
【1】
塩鮭を焼いてほぐしておく。
【2】
からしとマヨネーズを合わせておき、【1】と和える。
【3】
海苔にすし飯を薄く広げて、サラダ菜、【2】の順でのせて軽く巻く。
【4】
卵2個に塩、醤油、砂糖を好みで入れて味つけし、だし巻きの容量で3~4回に分けて少しずつ【3】に卵を巻いていく。
【5】
巻きすで形を整えてカットし、盛り付ける。